今年に入り、アーム・ホールディングス(ARM)の株価は大幅に上昇しています。ウェルズ・ファーゴのアナリストは、同社が提供するチップ設計技術に対する需要が、株価をさらに押し上げる可能性を示唆しています。
アームの格付けを「オーバーウェイト」に設定
ウェルズ・ファーゴのアナリスト、ジョー・クアトロク氏は、アームに対して「オーバーウェイト」の格付けを与え、目標株価を155ドルと設定しました。これは、11月22日現在の終値135.99ドルから約14%の上昇を見込んだものです。
同氏は、「ロイヤリティ率が高いArmv9やCSSソリューションへの移行と、アームベースCPUの市場シェア拡大が、業績予想を押し上げる可能性がある」と述べています。
アームの事業モデルと最新技術が注目される理由
アーム・ホールディングスは、半導体メーカーやスマートフォンメーカーにチップ設計をライセンスするビジネスを展開しています。同社の最新技術「Armv9」は、従来の「Armv8」の2倍のロイヤリティ率をもたらす革新的な設計です。この技術が同社の収益向上に大きく寄与しています。
さらに、年次報告書によれば、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、インテル(INTC)、エヌビディア(NVDA)など、多くの主要企業が同社の顧客に名を連ねています。
AI関連投資がアームの株価を後押し
生成AIに対する期待が、アームの株価上昇を牽引しています。米国預託証券(ADR)は年初来で81%、過去12カ月では113%もの上昇を見せています。
また、クアトロク氏だけでなく、多くのアナリストもアームに対して強気の見方を示しています。ファクトセットの調査によると、同社をカバーする42人のアナリストのうち25人が「買い」、13人が「保留」、4人が「売り」と評価しています。
好調な第2四半期業績と明るい見通し
11月6日に発表されたアームの第2四半期業績は、市場予想を上回る結果となりました。最高経営責任者のレネ・ハース氏は株主宛ての書簡で、「当社の高性能なArmv9およびCSSコンピューティングプラットフォームに対する需要は引き続き堅調に推移しています」と述べています。
アームのADRは11月22日に2.14%上昇し、135.99ドルを記録しました。この結果は、同社が今後も持続的な成長を続けるとの市場の期待を反映しています。
まとめ
アーム・ホールディングスは、AIや先進的なチップ設計技術への需要を背景に、株価が大幅に上昇しています。同社のArmv9やCSSプラットフォームは、収益成長の鍵として注目されており、多くのアナリストが同社を高く評価しています。これからのアーム・ホールディングスの成長が、さらなる株価上昇を支える可能性があります。