アマゾン・ドット・コム(AMZN)は、人工知能(AI)分野への投資を強化し、さらなる成長を目指しています。同社は11月22日、AIスタートアップ企業アンソロピックへの追加投資を発表しました。この動きにより、アマゾンは生成AI技術における市場競争力をさらに高める方針です。
AIスタートアップ「アンソロピック」へ40億ドルを追加投資
アマゾンは、クラウドサービス部門であるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)を「主要なクラウドおよびトレーニングパートナー」と位置づけるアンソロピックに対し、さらに40億ドルの投資を実施することを明らかにしました。この投資により、アマゾンのアンソロピックへの累計投資額は80億ドルに達します。なお、アマゾンは引き続き少数株主として同社と連携します。
アンソロピックは、ChatGPTの開発元であるオープンAIの競合企業として注目されています。同社のAIアシスタント「クロード」は、ChatGPTと競争しており、生成型AI分野において急速に存在感を高めています。
AWSのCEOであるマット・ガーマン氏は声明の中で、次のように述べています。
「アマゾン・ベッドロックへのアンソロピックモデルの展開を継続し、カスタムTrainiumチップの開発においてアンソロピックと協力することで、生成AI技術を活用した新たな可能性を追求していきます。」
アマゾン・ベッドロックとTrainiumが描く未来の生成AI
アマゾン・ベッドロックは、生成型AIアプリケーションを構築するためのプラットフォームとして、さまざまな機能を提供しています。一方、TrainiumはAWSが提供するAIモデルのディープラーニングトレーニング用のマシンラーニングチップです。これらの技術基盤により、アマゾンは企業顧客に対して、より高度な生成型AIソリューションを提供することを目指しています。
アンソロピックの設立背景
アンソロピックは2021年、オープンAIの元従業員であるダリオ・アモデイ氏とダニエラ・アモデイ氏によって設立されました。同社は倫理的で安全なAI技術の開発に注力しており、生成AI分野での競争力を急速に高めています。
今回の投資が示すアマゾンの戦略
アマゾンのアンソロピックへの投資拡大は、AI技術を活用した新たなビジネス機会を模索する同社の姿勢を象徴しています。クラウドサービスと生成AIの融合を進めることで、アマゾンは顧客に対して先進的なソリューションを提供し続ける意向です。
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