スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)の株価は、チップメーカー大手エヌビディア(NVDA)が同社を顧客として名指ししたことで11月21日の市場で上昇しました。ただし、会計上の問題を抱える同社の株価は依然として変動が激しい状況にあります。
11月21日の午前の取引で、スーパーマイクロの株価は15%上昇し、29.85ドルを記録しました。19日には30%以上の上昇が見られたものの、20日には8.7%の下落を経験しています。これは、新たな監査人の雇用や、遅延していた決算結果を提出する計画を発表した直後の動きです。
ナスダックからのコンプライアンス違反通知
20日の夜遅く、スーパーマイクロはナスダックからコンプライアンス違反を指摘されているとの声明を発表しました。この通知は驚くべきことではなく、同社が提出書類の遅延を事前に報告していたことが背景にあります。
エヌビディアがスーパーマイクロを「信頼のおけるパートナー」として評価
エヌビディアは20日の決算報告で、デル(DELL)、フォックスコン(Foxconn)、マイクロン(MU)、バーティブ(VRT)とともに、スーパーマイクロを信頼のおけるパートナーの1社として挙げました。この発表により、スーパーマイクロの株価は時間外取引で一時的に上昇しました。
ただし、取引はその後下落しており、オプション市場の動きから見ても、投資家は同社の株価が今後数週間、不安定な状態が続くと予想しているようです。
依然として課題が山積するスーパーマイクロ
提出期限の遅延に加え、スーパーマイクロは他の課題にも直面しています。空売り専門の投資会社ヒンデンブルグ・リサーチは8月下旬に同社に対する批判的な報告書を公表しました。さらに、利益率の低下も見られており、これらの要因が投資家の懸念を増幅させています。
今後の展望
スーパーマイクロの株価は、エヌビディアの評価に支えられた一方で、同社の会計上の問題や外部からの批判により、依然として不安定な動きが予想されています。今後、決算結果の提出や市場からの信頼回復が重要な鍵となると考えられます。
*過去記事はこちら スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI