半導体業界のリーダーであるエヌビディア(NVDA)が最新の四半期決算を発表し、ウォール街の期待を上回る結果を見せました。同社は引き続きAI革命の中心に位置し、データセンター売上の大幅な増加や次世代GPU「Blackwell」の驚異的な需要が注目されています。
エヌビディアの決算発表:ウォール街の期待を上回る結果
エヌビディアは、2024年10月四半期の調整後1株当たり利益(EPS)が81セントと報告しました。これはファクトセット調べのアナリスト予想(75セント)を上回る結果です。また、売上は前年同期比94%増の350億8000万ドルとなり、市場予想の332億ドルを上回りました。
さらに、同社は2025年1月四半期の売上見通しを375億ドル(中間値)と発表。これも市場予想の371億ドルを超える数値であり、AI需要が依然として強いことを示しています。
データセンター売上が2倍以上に増加
エヌビディアのデータセンター部門は、四半期売上が前年同期比112%増の308億ドルを達成しました。この成長は、AI関連の需要増加によるもので、特に大手クラウドプロバイダーが売上の約50%を占めました。
CEOのジェンセン・フアン氏は次のように述べています:
AIの時代が本格化し、エヌビディアコンピューティングへの世界的なシフトを推進しています。Hopperに対する需要とBlackwellへの期待はフル生産体制で信じられないほどです。
エヌビディアのAIデータセンターチップは、新興企業や大企業から非常に高い需要を集めており、この分野での圧倒的な優位性が売上増加の鍵となっています。
次世代GPU「Blackwell」の需要と供給制約
エヌビディアの次世代GPU「Blackwell」はすでに主要なパートナーへ出荷されており、その需要は「驚異的」とされています。しかし、供給は今後数四半期にわたり制約される見込みです。エヌビディアの最高財務責任者(CFO)であるコレット・クレス氏は、次のように述べています:
HopperシステムとBlackwellシステムの両方には供給上の制約があり、Blackwellに対する需要は今後数四半期にわたり供給を上回る見通しです。
これは、同社の製品が市場でいかに需要が高いかを示す一方で、サプライチェーンの改善が引き続き課題となることを示唆しています。
株価の動向:期待感と利益確定売りが交錯
エヌビディアの株価は決算発表直後に約3%下落しました。これは、2024年に株価がすでに約200%上昇している中での利益確定売りによるものと見られます。しかし、長期的にはAIやデータセンター市場での優位性が持続する限り、同社の株価には引き続き強い支持があると予測されています。
投資家へのメッセージ:AI革命の中核企業としてのエヌビディア
エヌビディアの決算発表は、同社がAI革命の中心にいることを再確認させるものでした。特にデータセンター売上の大幅な成長や次世代GPUの高い需要は、今後も売上を牽引する要素となるでしょう。一時的な株価下落が見られるものの、投資家にとっては引き続き注目すべき銘柄と言えます。
まとめ
AI需要が拡大する中、エヌビディアはその優位性を活かして成長を続けています。同社のデータセンター部門と次世代GPU「Blackwell」は、今後の売上成長を後押しする重要な要素です。短期的な株価変動を超えて、エヌビディアは引き続き半導体業界を牽引する存在であり続けると思われます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA