米国のIT大手「グーグル」が、司法省による重要な法廷闘争を目前に控え、株式市場で揺れ動いています。バイデン政権がグーグルの一部事業の分割を求める可能性が報じられる中、親会社であるアルファベット(GOOGL)の株価が大幅に下落しました。これは同社にとって大きな試練となるかもしれません。
株式市場の反応:アルファベットを含むビッグテックが下落
前日のテクノロジーセクター全体の上昇で1.6%値を上げたアルファベットの株価は、11月20日の取引で2.3%一時下落し、174.10ドルを記録しました。同様に、S&P 500(SPX)は0.9%下落し、他のビッグテック企業も軒並み値を下げています。
司法省の分割要求とは?
ウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道によると、20日に予定されている裁判所への提出文書において司法省はグーグルが現在のモバイル製品と検索エンジンの連携方法を変更しない場合、「Chromeウェブブラウザ」または「Androidオペレーティングシステム」の売却を求める方針とのことです。これは、米国司法省が大手テクノロジー企業の市場支配力に対して行動を起こす姿勢を鮮明にしたものといえます。
ただし、この分割要求が実際に実現するかどうかは未知数です。裁判を担当するアミット・メータ判事は、判例に基づいた判断を下す可能性が高いと見られており、約25年前に行われたマイクロソフト(MSFT)に対する同様の訴訟が参考になります。当時、マイクロソフトは事業分割を命じられましたが、最終的に判決を覆し分割を回避しています。
ビッグテック企業への規制の背景
グーグルに対する分割要求は、バイデン政権下でのIT業界に対する規制強化の一環と考えられています。特に、検索エンジン市場における圧倒的なシェアを誇るグーグルの競争環境への影響が問題視されてきました。今回の裁判の結果は、グーグルだけでなく他のビッグテック企業の事業運営にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
投資家への影響と今後の展望
今回のニュースは、テクノロジー株全般に売り圧力をかける一因となっています。アルファベットをはじめとするビッグテック企業の投資家は、今後の法的リスクを注視する必要があります。特に、グーグルがChromeやAndroidといった主要事業を手放すことになれば、業績や競争力に与える影響は計り知れません。
市場の注目は、裁判がどのように進展するかに集中しています。司法省が求める分割命令が実現するか、あるいは和解によって解決するのか、引き続き情報を追う必要があります。
*過去記事 アルファベット GOOGL