投資のチャンス?エヌビディアの決算予測と今後の注目ポイント

エヌビディア(NVDA)は、直近の決算報告以来、投資家から高い注目を集めています。8月の決算発表以来、同社の株価は約16%上昇し、半導体セクター全体を示すPHLX半導体指数(SOX)が0.62%下落する中で、際立ったパフォーマンスを見せています。この状況は、エヌビディアが市場において極めて高い期待値のハードルを超え続けていることを示しています。

売上高の予測とバイサイドの期待

ファクトセットのコンセンサス予測では、エヌビディアの10月四半期の売上高は331億ドル、1月四半期の売上高は370億ドルと見込まれています。しかし、バイサイドの投資家の間では、これ以上の数字が「囁かれて」います。米国みずほ証券のアナリスト、ジョーダン・クライン氏によると、証券会社などの「セルサイド」から株式や債券などの金融商品を購入し、運用する「バイサイド」の機関投資家は、1月四半期の売上高が390億ドル〜400億ドルに達すると期待しているとのことです。

一方、同氏は8月の決算のガイダンスが、エヌビディアが投資家を失望させ、その報告を受けて株価が数営業日で20%下落した経験も指摘しています。ただ、経営陣は意図的にガイダンスを控えめに設定し、後から市場を驚かせることがあるとも同氏は指摘しています。

例えば、エヌビディアが1月四半期に395億ドルの見通しを示した場合、実際には415億ドルを見込んでいる可能性があり、これが投資家を安心させる要因になるかもしれません。また、370億ドル〜390億ドルのガイダンスは、経営陣が390億ドル〜410億ドル程度の売上を予測している可能性を示唆しています。

粗利益率の変化とその影響

エヌビディアの粗利益率は業界で群を抜いていますが、最新製品「Blackwell」の展開に伴い、わずかに低下する見込みです。メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・レイツェス氏は、10月期の調整後粗利益率を75.0%、1月期を73.0%と予測しています。これは、7月期(75.7%)や4月期(78.9%)から低下しています。

利益率の低下は、Blackwellの成長過程における一時的な課題と見られていますが、同製品が半導体市場に与える影響は極めて大きいとされています。

「Blackwell」がもたらす次世代技術革新

キャンターフィッツジェラルドのアナリスト、C.J. Muse氏は、Blackwellを「市場がこれまで経験した中で最も堅調な製品サイクルの一つ」と評しています。同製品は、データセンターやAI開発における革命的な技術革新を実現する可能性を秘めています。

しかし、一部の投資家はBlackwellの初期展開における技術的な課題を懸念しています。トゥルイスト証券のウィリアム・スタイン氏は、エヌビディアの最新データポイントに基づき、サプライチェーンや技術的な制約がBlackwellの増産に影響を及ぼす可能性を指摘しています。同社の「GB200 NVL72システム」は「これまでに開発された中で最も先進的なコンピューター」とされていますが、これを多様なデータセンター環境に適合させるためには、顧客との緊密な共同エンジニアリングが必要です。

EPS成長率と過去との比較

エヌビディアの調整後1株当たり利益(EPS)は、前年比で86%増の0.75ドルが予測されています。ただし、これは7月四半期の152%増、4月四半期の462%増から減速していることを意味します。この減速は、AIブームに支えられた過去の業績が非常に高い比較基準となっているためです。

今後の投資戦略に向けて

エヌビディアは引き続き半導体市場のリーダーであり、AI技術の進化とともに収益基盤を拡大しています。最新の製品「Blackwell」の成功と粗利益率の維持、さらにはガイダンスを上回る業績の達成が、同社の株価に大きな影響を与えると予想されます。

投資家にとっての注目ポイントは以下の通りです:

  • 1月四半期のガイダンスの詳細:バイサイドが期待する390億ドル超を超えるか。
  • 粗利益率の動向:利益率低下が一時的なものであるかどうか。
  • Blackwellの市場での反応:技術的な課題が解決されるか。

長期的な成長を見据え、エヌビディアは引き続き魅力的な投資対象であると言えます。ただし、市場の期待値が非常に高いため、短期的な株価変動には注意が必要です。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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