スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)が、ナスダック上場維持のために直面している新たな課題が注目されています。同社は11月13日、2024年9月期の四半期報告書(10-Q)を期限内に提出することが困難であると発表しました。この問題は単なる一時的な遅延ではなく、同社の将来に大きな影響を及ぼす可能性があります。
直面する課題と期限
スーパーマイクロはすでに前年度の年次報告書(10-K)も期限内に提出できていない状況にあり、11月16日までにナスダックへの上場要件を満たすための計画を提出する必要があります。この計画はナスダックからの承認が必要であり、その成否が同社の上場維持に直結します。
しかしながら、専門家の間では、スーパーマイクロがこの期限を守れるかどうかに疑念が生じています。その背景には、先月末に同社の監査人であるアーンスト・アンド・ヤング(EY)が辞任したという事実があります。
監査人辞任の影響と信頼性への疑問
10月下旬、スーパーマイクロはEYの辞任を発表しました。その際、EYは辞任の理由として、以下のように述べています。
最近になって注意を引いた情報により、経営陣および監査委員会の表明を信頼できなくなり、経営陣が作成した財務諸表に関与することを望まなくなったため。
この辞任発表以来、スーパーマイクロの株価は急落しており、現時点で約55%の下落となっています。
現在の対応と懸念
スーパーマイクロは現在、新たな監査法人の選定に取り組んでいますが、その完了にはさらに時間が必要です。さらに、新たな監査法人が選定されたとしても、同社の2023年度の財務諸表の再審査が必要となります。この遅延により、今年度第1四半期の四半期報告書を提出することもできない状況に陥っています。
同社は11月8日に提出した書類で、以下のように述べています。
遅延報告書として提出する財務諸表および関連開示事項の確定に追加の時間が必要である。
特別委員会の調査結果
EYの辞任理由として挙げられた経営陣の信頼性への疑問に対し、スーパーマイクロは特別委員会を設置し、調査を行いました。先週の声明では、以下のように報告されています。
特別委員会は、「EYが提起した一連の当初の懸念事項に基づき調査を完了した」と述べている。現時点では、「経営陣や取締役会による不正や不祥事の証拠はない」と結論付けている。
しかし、同社が信頼を回復し、迅速に財務報告を整えるためには、さらなる努力が必要です。
株価の動向と今後の見通し
スーパーマイクロの株価は、11月13日の米国市場の午前の取引においてさらに約4%下落しました。同社は現在、新たな監査法人の選定と財務報告の整備を最優先事項として取り組んでいますが、これが上場維持に十分な対応となるかどうかは不透明です。
投資家への影響
スーパーマイクロの状況は、投資家にとってリスク要因として注目されています。上場廃止の可能性や信頼性への疑問が解消されるまで、同社株に対する市場の慎重な姿勢は続くと予想されます。今後、11月16日のナスダック提出期限や、新たな監査法人の選定状況が重要なカギとなります。
*過去記事はこちら スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI