商業宇宙開発の新興企業ロケット・ラブUSA(RKLB)の株価は、11月12日に発表された第3四半期の好調な業績を受けて急騰しました。株価は13日の米国市場で一時51.7%上昇し、22.24ドルを記録。これは同社史上最大の1日上昇率であり、市場の注目を集めています。
ロケット・ラブの会社概要
ロケット・ラブは、アメリカを拠点とする商業宇宙開発企業で、2006年に創業されました。主に小型衛星打ち上げを行うロケット「Electron」や、大型打ち上げシステム「Neutron」の開発を手がけています。同社は、宇宙アクセスのコスト削減を目指し、柔軟で頻繁な打ち上げを提供することで商業宇宙市場におけるリーダーシップを確立しつつあります。ニュージーランドと米国に打ち上げ施設を持ち、迅速かつ効率的なサービスを提供しています。
業績概要:売上高が市場予想を上回る
ロケット・ラブは、第3四半期の売上高が前年同期比55%増の1億500万ドルとなったと発表しました。これはウォール街の予測である1億300万ドルを上回る結果でした。
今後の見通しについてもポジティブな発表があり、同社は第4四半期の売上高を1億2500万ドル〜1億3500万ドルと予想しています。この予想はウォール街の期待(1億2200万ドル)を上回るものです。
投資家を勇気づける進展
第3四半期の主要な成果として、ロケット・ラブは機密性の高い商業衛星顧客との契約を発表しました。この契約には現在開発中の大型打ち上げシステム「Neutron」による複数回の打ち上げが含まれています。
また、現在運用中の小型ロケット「Electron」は、今年これまでに12回の打ち上げを成功させ、四半期末のバックログは10億5000万ドルに達しました。この堅実な実績は、同社の事業基盤をさらに強化しています。
Neutron:次世代ロケットの未来
Neutronはロケット・ラブが開発中の大型ロケットで、地球低軌道に約13トンの積荷を運ぶ能力を持ちます。一方、Electronロケットは約300キログラムの積荷を運ぶことが可能です。
キーバンクのアナリスト、マイケル・レショック氏は「Neutronの進捗が予定通り進んでいることは大きなマイルストーンだ」と評価しています。初の打ち上げは2025年後半を予定しており、今後の需要に応える体制が整いつつあります。
宇宙産業における競争
ロケット・ラブは「ミニ・スペースX」とも呼ばれていますが、競争環境は厳しい状況です。スペースXは2024年には110機以上のロケットを宇宙に送り出し、世界の打ち上げサービス市場を半分以上占めています。それでも、Neutronの開発進展と顧客契約は、ロケット・ラブが今後の市場シェアを拡大する可能性を示しています。
株価とアナリストの見解
キーバンクはロケット・ラブの株式を「買い」と評価し、目標株価を12ドルと設定しました。同社の第4四半期の見通しとNeutronの開発進展を考慮すると、今後も堅実な成長が期待されます。
まとめ:ロケット・ラブの成長性に注目
ロケット・ラブの第3四半期の結果は、同社が商業宇宙開発分野で重要な存在であることを示しています。Electronの安定した運用実績、Neutronの進捗、そして堅調な売上予測は、投資家に大きな信頼感を与えています。
商業宇宙開発市場が急成長を遂げる中で、ロケット・ラブはそのポジションを強化しており、今後もさらなる注目を集めそうです。
*過去記事「ロケット・ラブの株価急騰!2024年第2四半期業績が好調」