エヌビディア、供給不足の影響は一時的?次世代AIプロセッサがもたらす成長の可能性

2024年11月13日、エヌビディア(NVDA)の株価は1.36%下落し、終値は146.27ドルとなりました。前日には2.1%上昇しており、11月20日に予定されている第3四半期決算発表への期待が高まっています。

市場が期待する売上と成長の裏には、次世代AIチップに対する需要が供給を上回るという課題があり、特に製造能力の不足やサプライチェーンの問題が影響しています。このため、投資家たちは供給の改善に注目しています。

エヌビディアの成長を支えるAIプロセッサ需要

現在、エヌビディアの次世代AIチップ(Blackwellアーキテクチャ)に対する需要は非常に高いものの、供給制約が業績に影響を及ぼしています。

シティグループのアナリスト、アティフ・マリク氏は、エヌビディアが10月期に約330億ドルの売上を報告する見込みであり、これは市場期待をわずかに下回る可能性があるとしています。また、1月期の売上予想は375億ドルで、供給不足の影響が続く見通しです。

しかし、これらの課題は一時的なものであり、マリク氏は次の四半期以降には緩和されると予測しています。同氏はエヌビディアの目標株価を150ドルから170ドルに引き上げ、買い推奨を維持しました。

AIスーパーコンピューター:ソフトバンクとの連携強化

エヌビディアは12日、ソフトバンクグループの通信部門がエヌビディアのBlackwellチップを採用したAIスーパーコンピューターを日本国内で構築する計画を発表しました。これにより、ソフトバンクは地域に密着したAIサービスを提供する「AIマーケットプレイス」の構築を目指し、企業や研究機関に高性能なAIリソースを提供し、効率的な開発と運用を可能にする利点があります。さらに、これにより日本国内のAI普及が加速し、エコシステム全体の成長が期待されます。

このスーパーコンピューターは、日本におけるAIインフラの中核となる予定であり、AIトレーニングからエッジAI推論まで幅広い用途に対応します。また、エヌビディアのハードウェアは2台目のスーパーコンピューターにも活用される予定です。

エヌビディアとソフトバンクの協力は、先進AIチップ市場におけるエヌビディアの優位性を示すだけでなく、エヌビディアの技術を用いたAIサービスの普及拡大に寄与し、収益源を多角化する重要な機会です。また、孫正義氏が掲げる「AI中心の未来」に向けた重要なステップでもあり、日本国内でのAI技術の普及を加速することが期待されています。

エヌビディアの見通し:供給制約を超えた成長の可能性

エヌビディアの供給制約による短期的な売上の鈍化は懸念材料ですが、次の四半期以降には状況が改善するとの見方が強まっています。マリク氏は、「粗利益率がBlackwellチップの増加により改善する」として、2025年4月期以降に大きな成長を期待しています。

この成長見通しは、AI需要が引き続き拡大していること、そしてエヌビディアがこの分野で技術的なリーダーシップを維持していることに支えられています。

まとめ

エヌビディアはAI分野での圧倒的な需要を背景に、長期的な成長が期待されています。しかし、供給制約という課題が短期的な業績に影響を及ぼす可能性もあります。ソフトバンクとの提携や次世代AIプロセッサ「Blackwell」の成功は、同社の成長を加速させる要因として注目されています。

投資家にとって、11月20日の決算発表は重要なポイントとなりそうです。エヌビディアの供給問題がどの程度改善するのか、また次の四半期の見通しにどのような示唆があるのかが焦点となります。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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