メタ・プラットフォームズ (META)は、Facebook の親会社として知られ、AI技術やデジタル広告分野でリーダーシップを強化しています。10月30日発表した2024年第3四半期決算で、市場予測を上回る業績を報告しましたが、来年度以降のインフラ費用増加見通しが株価に影響を及ぼしています。本記事では、メタの最新決算とその背景、今後の投資動向について詳しく見ていきます。
メタの第3四半期決算ハイライト
メタの2024年Q3決算では、1株当たり利益が6.03ドルとなり、ウォール街のコンセンサス予想である5.22ドルを15.5%上回りました。売上高も406億ドルで、アナリスト予想の402億ドルを超える結果となり、同社の強い成長を示しています。しかし、将来的なインフラ費用の増加見通しが発表され、市場に懸念を与えたことで、31日の取引で株価は4%あまり下落しました。
主な数値
- 1株当たり利益 (EPS): 6.03ドル(予想の5.22ドルを上回る)
- 売上高: 406億ドル(予想の402億ドルを上回る)
今後の見通し:売上予測と資本支出の動向
メタは今期(第4四半期)の売上高を450億ドル〜480億ドルの範囲と予測し、アナリストの予測462億ドルに近い水準を見込んでいます。また、2024年度の年間資本支出(CapEx)予測を、従来の370億ドル〜400億ドルの範囲から、380億ドル〜400億ドルに上方修正しました。さらに、2025年に向けて「大幅な資本支出の増加」を予定しており、特にインフラ費用の加速が予測されています。
CEOのコメント:AIと製品イノベーションの進展
メタのマーク・ザッカーバーグCEOは、AI技術の進展が同社の事業全体を支える重要な柱となっていると述べました。同社はMeta AIやLlamaの採用、AI搭載メガネといったプロジェクトを推進しており、これらが成長の牽引力となっています。ザッカーバーグ氏は、「当社のアプリとビジネス全体におけるAIの進歩により、好調な四半期となりました」とコメントしています。
アナリストの評価とデジタル広告市場の動向
ウェドブッシュのアナリスト、スコット・デビット氏は、メタ株の「アウトパフォーム」評価を維持し、目標株価を600ドルから640ドルに引き上げました。デビット氏によれば、デジタル広告市場は依然として健全であり、広告代理店やマーケティングプラットフォームからの調査でも、広告主の43%が第4四半期にデジタル広告費を前年比10%以上増加させる予定と報告されています。
メタの成長要因:AIとデジタル広告の強化
メタは、より優れたパーソナライズ広告の配信と生産性向上のためにAI技術を活用しています。AIモデルを活用した広告の精度向上とターゲティングの強化が、同社の収益基盤を強化する要因とされています。
株価の動向:年初来で67%の上昇
2024年、メタの株価はNASDAQ総合指数の24%の上昇を大きく上回る67%の成長を遂げていました。しかし、最新決算発表後、31日の取引では4%下落しており、これはインフラ費用増加見通しへの懸念が反映された結果です。
まとめ
メタ・プラットフォームズの第3四半期決算は、市場予想を上回る結果となり、AI技術やデジタル広告の進展が成長を牽引していることを示しています。しかし、インフラ費用の増加が今後の利益率に影響を与える可能性があり、投資家は慎重な姿勢を崩していません。今後もAI技術の活用とデジタル広告市場の成長が同社の主要な収益ドライバーとなる見込みであり、特にAIモデルを用いた広告ターゲティング強化や新規ハードウェア製品の開発が重要な戦略となっています。また、メタの戦略的投資がどのような成果を上げるかが注目されます。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ