米国のオンライン小売巨人アマゾン・ドットコム（AMZN）は、最新の第3四半期決算発表を受けて株価が急騰しました。同社の発表によると、売上はウォール街の予想を上回り、特にクラウドサービスであるAmazon Web Services（AWS）が好調な成長を見せています。本記事では、アマゾンの最新業績と今後の成長の鍵となるポイントを詳しく分析します。
アマゾン第3四半期の業績概要
アマゾンは2024年の第3四半期で1株あたり1.43ドルの収益を達成し、市場予想の1.14ドルを大幅に上回りました。また、売上高も予想を上回る1589億ドルを記録し、アナリストが予測していた1573億ドルを超えています。この結果により、アマゾンの株価は取引終了後の時間外取引で約5%上昇しました。
- 第3四半期の収益：1株当たり1.43ドル（予想：1.14ドル）
- 売上高：1589億ドル（予想：1573億ドル）
AWSの成長が全体業績を後押し
アマゾンのクラウドコンピューティング事業であるAmazon Web Services（AWS）は、第3四半期に前年同期比19%増の275億ドルの売上を記録しました。AWSの成長はアマゾンの全体的な業績を押し上げる重要な要因であり、アルファベット（GOOGL）やマイクロソフト（MSFT）といった他のクラウドサービス提供企業との競争において優位性を強化しています。
好調なオンラインストア売上
アマゾンのオンラインストア事業も引き続き好調です。第3四半期には614億ドルの売上を記録し、前年同期の573億ドルを上回りました。この結果はアナリスト予想の597億ドルも超えており、消費者の強い需要を反映しています。昨年のインフレ圧力による価格の低い商品へのシフトが見られた中で、この四半期ではより積極的な消費傾向が見られました。
年末商戦への期待とCEOのコメント
アマゾンは第4四半期の予想純売上高を1815億ドル〜1885億ドルと見込んでおり、ウォール街の予測である1863億ドルとほぼ一致しています。CEOのアンディ・ジャシー氏は「今年のホリデーシーズンは過去最大のプライム・ビッグ・ディール・デイズと新型Kindleの発売でスタートし、多くの成長機会が控えている」と意気込みを語っています。年末商戦に向けた積極的な戦略が株価のさらなる押し上げに寄与することが期待されています。
増加した資本支出とAIへの投資
アマゾンはこの四半期で、前年の125億ドルから226億ドルへと資本支出を大幅に増加させています。2024年には約750億ドルの資本支出を計画しており、その多くはAWSのAIサービスに対する需要を支える技術インフラへの投資に充てられる見込みです。大手テクノロジー企業の中で、AI分野への多額の投資は共通の戦略となっており、投資家はこれらの支出がどのようなリターンをもたらすかに注目しています。
株式市場への影響とテクノロジー株の動向
31日には他のテクノロジー企業の設備投資の増加発表もあり、ナスダック総合指数は2.8%の下落で取引を終えました。特にマイクロソフト（MSFT）とメタ・プラットフォームズ（META）はAIおよびクラウドインフラへの投資を強化しており、これらの支出が短期的に株価へ影響を及ぼしています。
まとめ：アマゾンの今後の成長見通し
アマゾンの第3四半期の好調な決算は、株価の上昇要因となりました。同社の強力な収益パフォーマンスとAWSの堅調な成長、ホリデーシーズンに向けた戦略的な取り組みが、今後の業績に対する期待を高めています。また、AIやクラウド分野への積極的な投資もアマゾンの競争優位を確保する鍵となるでしょう。今後の市場動向を注視しつつ、アマゾンの長期的な成長機会に対する投資家の期待は依然として高まっています。
＊過去記事はこちら アマゾン AMZN