エバコアISIのシニア・マネージング・ディレクターであり、インターネット調査部門のトップを務めるマーク・マヘイニー氏が、アマゾン(AMZN)の強気な見通しや株価予想を示しました。同氏は目標株価を240ドルに設定し、特にAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の成長が引き続き加速することで、株価がさらに上昇する可能性があると述べています。
AWSの成長が株価を押し上げるカギに
マヘイニー氏はAWSについて「高利益率で巨大な潜在市場を持つ」と評価しています。AWSはアマゾンの主要な収益源の一つであり、その成長が株価の上昇を支える重要な要因となっています。2024年のAWSの売上成長率は約16%と予想されており、年間売上は1,000億ドルに達する見込みです。2年前には、マイクロソフト(MSFT)のクラウド事業に市場シェアを奪われているとの見方が一般的でしたが、アマゾンは価格競争力の強化や新たな機能追加によって顧客を取り戻しつつあります。この流れが変わり、売上成長が再び加速する兆しが見えれば、アマゾン株の大幅な上昇が期待されます。
小売部門の成長と「プロジェクト・カイパー」への投資
マヘイニー氏はまた、アマゾンの小売部門についても注目しています。同社の小売売上高が年率10%程度の成長を維持し、さらに小売マージンが増加し続けることで、株価の上昇が見込めると述べています。
また、アマゾンは「プロジェクト・カイパー」と呼ばれる新しい衛星通信事業にも大規模な投資を行っており、この事業はイーロン・マスク氏の「スターリンク」との競合が予想されています。プロジェクト・カイパーは、世界中のリモート地域に高速インターネット接続を提供することを目的としており、特にインターネットアクセスが限られている場所での接続性を向上させることを目指しています。スターリンクと同様に、低軌道衛星を使用して高速かつ低遅延のインターネットサービスを提供する計画ですが、アマゾンはコスト効率の改善と既存の物流ネットワークを活用することで競争優位を図っています。
「プロジェクト・カイパー」が順調に進み、計画どおり2025年までに初期サービスを開始することができ、また小売りの利益率が着実に改善していることが証明されれば、アマゾン株は一層の上昇余地を持つと見られています。マヘイニー氏は、「これらの要因が組み合わさることで、アマゾンは当社のトップピックの一つであり続けるでしょう」とコメントしています。
まとめ
アマゾンに対する強気な見通しを示すエバコアISIのマーク・マヘイニー氏は、以下の成長ドライバーがアマゾン株のさらなる上昇を支えると考えています。
- AWSの売上成長
- 小売売上高の持続的成長
- 新しい事業「プロジェクト・カイパー」の進展
アマゾン株への投資を検討している投資家にとっては、これらの指標を注視することが重要となっています。
*過去記事はこちら アマゾン AMZN