血糖値測定器メーカーであるデックスコム(DXCM) の株価は、米国市場における売上の鈍化により、最新の四半期決算発表後に大幅な下落を見せました。同社は、9月30日までの第3四半期における調整後利益を1株あたり45セント、売上9億9420万ドルと報告しましたが、市場の期待を上回ったものの、株価は10月25日午前の市場で2.5%の下落を見せています。
第3四半期の決算結果:アナリスト予測をわずかに上回る
デックスコムは第3四半期の決算発表で、1株あたり45セントの調整後利益を報告しました。これは、アナリストが予想していた43セントを上回り、売上も予想の9億9000万ドルを少し超える9億9420万ドルでした。しかし、投資家心理は回復せず、米国における売上が前年同期比で2%減少したことが投資家の懸念を呼び、株価は72.96ドルまで下落しました。
米国内での売上低迷が影響
第3四半期における米国市場での売上は、前年から2%減の7億1900万ドルにとどまりました。この売上減少について、デックスコムの最高財務責任者ジェレミー・シルヴェイン氏は、第2四半期からの新規顧客の伸び悩みや、チャネル力学の変化、リベート適格性の増加による顧客1人当たり売上の減少が原因であると説明しています。こうした複合的な要因が、米国市場での売上低迷を引き起こし、株価の下落につながったと考えられます。
2024年の売上見通しを維持
一方で、デックスコムは2024年の売上見通しとして、40億ドル〜41億ドルの範囲を維持すると発表しています。これは長期的な成長に向けた戦略の一環であり、製品ポートフォリオの拡大と対象市場(TAM)の拡大により、成長を持続できるとの見解です。アナリストもこの展望に一定の理解を示しており、ウィリアム・ブレアのアナリストであるマーガレット・アンドリュー氏は、デックスコムの格付けを「アウトパフォーム」として維持し、ポートフォリオの拡大が成長を促進するとの確信を示しています。
株価パフォーマンス:2024年のデックスコム株価は41%の下落
2024年に入り、デックスコムの株価は41%下落し、S&P 500指数が23%上昇したのと対照的なパフォーマンスを示しています。この株価下落は、米国内市場での売上鈍化や顧客獲得の伸び悩みによるものであり、今後の成長戦略が市場でどのように評価されるかが重要です。投資家は同社の長期成長の見通しと、米国市場での売上の立て直しに注目しています。
今後の注目点:長期的な成長戦略の進捗
デックスコムは今後も製品ポートフォリオの拡充を進め、持続的な成長を実現することを目指しています。これにより、TAM(Total Addressable Market)の拡大を実現し、長期的な売上基盤を構築することが期待されます。また、同社が掲げる売上見通しの達成や、新規顧客の獲得に向けた施策がどのように進捗するかも、今後の株価動向に大きな影響を及ぼす可能性があります。
デックスコムの米国市場における売上鈍化や、売上の持続的な成長を支える戦略に注目が集まる中、同社の長期成長に関心を持つ投資家にとって、今後のパフォーマンスがどのように推移するかが注目されます。
*過去記事はこちら「デックスコム DXCM」