電気自動車のリーダー、テスラ(TSLA)は、2024年の第3四半期決算発表で、予想を上回る利益と成長見通しを示し、注目を集めました。同社の株価は、発表を受けて10月24日の米国市場で高騰、終値は21.92%高の260.48ドルとなりました。
テスラ第3四半期の成績:粗利益率とEPSの向上
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアナリスト、ジョン・マーフィー氏は、テスラの第3四半期における利益率の改善を高く評価しています。特に、原材料費の低下やサイバートラックの増産、コスト削減が粗利益率の向上に貢献しました。これにより、1株当たり利益(EPS)の予想も若干上方修正されました。
テスラは、今後も成長を続けると予測されており、特にエネルギーおよびサービス部門は、2025年までに売上高が倍増すると期待されています。マーフィー氏は、この強気な見通しを踏まえ、テスラの目標株価を255ドルから265ドルに引き上げ、「買い」評価を維持しました。
2025年に向けた成長見通し
2025年にかけて、テスラは「第2の成長波」に突入すると予測されています。CEOのイーロン・マスク氏によると、2025年には販売台数が20〜30%増加する可能性があります。これには、より手頃な価格の車両の投入やサイバートラックの量産が影響しそうです。また、マスク氏はこの予測を「最善の見込み」としつつも、現実的な目標として設定しています。
モルガン・スタンレーのアダム・ジョナス氏は、テスラの2025年の年間成長率を14%と予測し、販売台数は約207万台に達すると見込んでいます。同社は第4四半期に51万〜52万台を納車する予定であり、これが年換算の成長予測に繋がっています。
テスラのFSD(完全自動運転)と4680バッテリー
テスラの次なる成長エンジンとなるのは、完全自動運転(FSD)と見られています。テスラは10月にロボットタクシーの展開を示唆するイベントを開催し、コスト面で「米国で最も競争力のあるバッテリー」と称される4680バッテリーの進展も報告しました。これにより、FSDの採用が増加しており、今後数年のうちに実際に自律走行のタクシー、サイバーキャブが現実のものとなる可能性があります。
アナリストたちの評価
- バンク・オブ・アメリカ(ジョン・マーフィー氏):テスラの目標株価を265ドルに引き上げ、強気の「買い」評価を維持。
- モルガン・スタンレー(アダム・ジョナス氏):目標株価を310ドルとし、テスラを「トップピック」に据えています。
- ドイツ銀行(エディソン・ユー氏):自動車およびエネルギー事業の利益率を高評価し、目標株価を295ドルに設定。
- ウェドブッシュ(ダン・アイブス氏):300ドルの目標株価を設定し、「アウトパフォーム」評価を維持。
これらのアナリストたちは、テスラの利益率と成長のルネサンスが今後数年でピークに達する可能性があると見ています。
テスラの今後の展望
テスラは、電気自動車業界のリーダーであるだけでなく、AI技術や自動運転の分野でも進展を続けています。FSD(完全自動運転)やロボットタクシーの展開は、テスラが次の成長段階に進む上で重要な役割を果たしそうです。また、コスト削減と利益率の向上も、投資家にとって非常に魅力的な要素です。
2025年に向けて、テスラはさらなる販売台数の増加と成長を見込んでおり、より手頃な価格のEVやサイバートラックの大量生産がその成長を支えると予想されます。アナリストたちは、テスラがエンドツーエンドのAIや自律走行技術で主導的な地位を確立しつつあると評価しており、同社の株価は引き続き注目されそうです。
*過去記事はこちら テスラ TSLA