バーティブ・ホールディングス:AI需要で好業績、しかし株価は調整局面へ

  • 2024年10月24日
  • 2024年10月24日
  • BS余話

電源および冷却装置メーカーのバーティブ・ホールディングス(VRT)は、データセンター顧客からの人工知能(AI)関連需要の増加を背景に、2023年9月期の決算で市場予想を上回る好業績を報告しました。にもかかわらず、発表後に株価が下落したことで、投資家にとっては利益確定売りのタイミングと捉えられた可能性が浮上しています。

バーティブの9月期決算:予想を上回る業績

2024年9月期の決算によると、バーティブの売上高は20億7000万ドル、調整後の1株当たり利益は76セントでした。これは、アナリスト予想の売上高19億8000万ドル、調整後1株当たり利益69セントを上回る結果です。

バーティブのCEOであるジョルダーノ・アルバタッツィ氏は、AI開発の加速が同社の電源、熱、ITシステム、インフラソリューションへの需要を大きく牽引していることを強調しています。特に、AI対応ポートフォリオ全体への高い需要が企業の売上拡大に寄与していると述べました。

期待を裏切った株価の下落、その背景は?

好決算にもかかわらず、バーティブの株価は10月23日の取引で3.65%下落し、終値は108.36ドルとなりました。この下落は、主に投資家の高い期待と、今年に入ってからの株価パフォーマンスの急騰を背景にした利益確定売りによるものと考えられます。

22日の取引終了時点で、バーティブの株価は2024年に入ってから134%上昇しており、これは23%あまりの上昇率のナスダック総合指数を大きく上回っています。株価の急上昇が続く中で、今回の決算報告後の下落は一時的な調整に過ぎない可能性も考えられます。

第4四半期および今後の見通し:さらなる成長を期待

バーティブは第4四半期の売上高を21億2000万ドル〜21億7000万ドル、調整後1株当たり利益を80セント〜84セントと予想しています。さらに、2025年には有機的売上成長率が2024年の14%から加速すると見込んでおり、同社の成長への自信が伺えます。

ジェフリーズのアナリスト予想:125ドルの目標株価

今月初め、ジェフリーズのアナリスト、サリー・ボロディツキー氏は、バーティブに対して買い推奨と125ドルの目標株価を設定しました。同氏は、データセンター容量の増加とAI需要がバーティブの製品に対する強い需要を支えていると述べています。特に、最新のAIサーバーが従来のシステムよりも多くの熱を発生させるため、バーティブの冷却システムの需要が増加していることに注目しています。

バーティブの競争優位性:サービスインフラが強み

また、バーティブは3,750人を超えるフィールドサービス要員と、300のサービスセンターを擁しており、冷却システムのメンテナンス能力においても他社に比べて優位性があります。ボロディツキー氏は、バーティブの売上が2027年までに毎年24%成長するとの予測を立てており、これに自社株買いや企業買収などが加われば、さらなる成長が見込めるとしています。

投資家にとってのバーティブの魅力とリスク

バーティブの強力な業績と今後の成長予測は、長期投資家にとって大きな魅力です。しかし、株価が急騰している現在、短期的には利益確定売りや株価の調整が続く可能性もあります。長期的に見れば、AIの普及に伴う需要拡大により、同社の成長がさらに加速することが期待されています。

バーティブ・ホールディングスは、データセンター市場の拡大とAI需要の増加を背景に、今後も注目すべき企業です。最新の冷却システムや電源管理ソリューションは、AI処理能力の増加に伴う需要をしっかりと捉えており、投資家にとっては引き続き有望な銘柄と言えそうです。

*過去記事「バーティブの成長ストーリー:AIデータセンター需要がもたらす投資チャンス

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