エヌビディア(NVDA) の株価は、過去最高値に迫る展開の中で、10月23日の米国市場で2.81%の下落を記録しました。しかし、ウォール街は今後の業績に注目しており、特にAI投資の中心であるエヌビディアのプロセッサ需要について重要な試金石と見なしています。
ジェンスン・フアCEOが、同社の次世代AIチップ「Blackwell」の設計上の欠陥を修正したことを発表したため、一部の需要低迷に対する懸念は軽減されつつあります。この発表は、エヌビディアの競争力と市場シェアを維持するための重要な一歩と言えます。
株価動向と市場の反応
23日のエヌビディアの終値は2.81%下落して139.56ドルを記録。これに先立つ22日にも0.1%の下落が見られました。しかし、21日には初めて時価総額が3兆5000億ドルを突破し、アップル(AAPL)に続いて史上2社目となる偉業を達成しました。
この株価上昇の背景には、主要テック企業が再びAI関連の投資に楽観的になっていることが挙げられます。例えば、メタ・プラットフォームズ(META)、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、そしてグーグルの親会社アルファベット(GOOGL)などがAI技術の導入を加速させていることが、エヌビディアの強力な成長を支えています。
Blackwell AIチップと今後の展望
注目すべきは、これらの企業がエヌビディアの新しいBlackwell AIチップにさらに投資するかどうかです。23日、フアン氏はBlackwellチップの設計上の問題が解決され、生産が第4四半期に延期されたことを明らかにしました。これにより、同社が引き続きAI分野でリーダーシップを維持できる見通しが強まりました。
また、AI投資の広がりは政府機関や非営利団体にも波及しています。エヌビディアはデンマーク最大のAIスーパーコンピューター「ゲフィオン」の立ち上げにも関与しており、同スーパーコンピューターにはH100 Tensor Coreグラフィック処理ユニットが1,528個搭載されています。このように、エヌビディアは民間企業だけでなく、政府や非営利団体のAIイニシアチブからも恩恵を受けようとしています。
テック業界のAI投資と今後の期待
テック業界全体でAI投資が進んでおり、CFRAのアナリスト、アンジェロ・ジーノ氏によれば、メタはAI関連の取り組みを支援するため、2024年の資本支出を約20%増やし、約460億ドルに達する見込みです。これにより、エヌビディアの製品に対する需要がさらに高まる可能性があります。
AI関連銘柄への期待と投資家の視点
エヌビディアに代表されるAI関連銘柄は、依然として投資家から大きな注目を集めています。ブラックロックのグローバル・チーフ投資戦略担当のウェイ・リー氏は、「AI関連の技術や投資にはまだ多くの伸びしろがある」と述べ、テクノロジー企業が相次いで売上予想を上回る結果を出していることから、AI市場への期待はさらに高まると見込んでいます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA