インテル、アルテラ株売却で再浮上?— 170億ドル規模の事業再編

  • 2024年10月21日
  • 2024年10月21日
  • BS余話

インテル(INTC)は、近年その株価が低迷しており、2024年に入ってからも回復の兆しが見えません。この状況を受けて、インテルは事業再編を模索し、その一環としてアルテラ部門の少数株を売却する可能性が浮上しています。この動きは、インテルの長期的な戦略にどのような影響を与えるのでしょうか?この記事では、その背景や今後の展望について詳しく解説します。

インテル、アルテラ売却を検討:170億ドル規模の可能性

複数の報道によると、インテルはアルテラ部門の少数株を売却することを検討しており、その規模は少なくとも170億ドルに達する可能性があります。このニュースは、CNBCが事情に詳しい関係者の話として報じたもので、インテルの事業再編の一環として進められているようです。

インテルは2015年にプログラマブルチップ製造企業アルテラを167億ドルで買収しましたが、2024年2月にはアルテラを独立企業として分社化すると発表しています。この売却は、インテルが直面している経済的なプレッシャーや業界の競争激化に対応するための一手であると考えられます。

アルテラのIPOに向けた動き:CEOの発言

インテルのCEOであるパトリック・ゲルシンガー氏は、同社の第2四半期の決算報告会で、アルテラが年末までに完全に独立した企業になる予定であることを明らかにしました。また、今後数年以内にIPO(新規株式公開)を行い、インテルにとって収益をもたらす事業として確立することを目指していると述べています。

インテルがアルテラの株式の一部を売却するという戦略は、長期的な収益向上を目的としたものであり、驚くべきことではありません。9月には、ゲルシンガー氏が従業員に向けて手紙を送り、インテルの変革のためのステップとして、アマゾン(AMZN)とのカスタムチップ製造契約や、アルテラの株式の一部売却を通じた資金管理の方法などを説明しました。

インテルの株価低迷:55%の下落と経営の課題

2024年に入り、インテルの株価は55%も下落しています。この株価低迷は、業界全体の激しい競争やコスト増加に直面していることが一因とされています。同社は、第2四半期の業績が市場の期待を下回ったことを受け、人員削減と配当金の停止を発表しました。

さらに、報道によれば、インテルはクアルコム(QCOM)から買収の可能性について打診を受けたとの情報もありますが、クアルコム側はこれについてのコメントを控えています。

第3四半期の決算発表:投資家の関心が高まる

インテルは、10月31日に第3四半期の決算を発表する予定です。投資家は、このタイミングでアルテラの一部売却に関する具体的な計画や、事業再編に関するさらなる情報が得られることを期待しています。

株価が低迷する中、インテルの経営戦略がどのように変化していくのか、そしてアルテラのIPOがインテルの収益にどのような影響を与えるのかは、今後の注目ポイントです。

まとめ:インテルの事業再編と今後の展望

インテルは、株価低迷や業績不振という厳しい状況に直面しながらも、アルテラの少数株売却を含む事業再編を進めています。この動きは、同社が競争力を維持し、長期的な成長を目指すための重要なステップです。10月31日の決算発表に向けて、投資家や業界関係者は今後の展開に注目しています。

*過去記事「クアルコム、インテル買収に向けた動きに対する懐疑的な見解

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