AI市場の未来は揺るがない?ASML警告後のエヌビディア・AMD株価変動を徹底解説

10月15日の米国市場、半導体セクターでは、人工知能(AI)チップの人気銘柄であるエヌビディア(NVDA)アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価が下落しました。この動きは、半導体装置メーカーのASMLホールディング(ASML)が市場に対して警告を発したことに起因しています。しかし、AIの成長に注目している投資家にとって、この下落が本当に懸念すべきものなのか疑問が残ります。

ASMLのCEOによる市場見通し

ASMLのCEO、クリストフ・フーケ氏は、半導体業界の回復が予想よりも「緩やか」になると述べましたが、AI自体が問題ではないと強調しました。むしろ、AIは依然として「力強い発展と上昇の可能性」を持つ分野であり、問題はAI以外の市場、特に自動車や産業用分野がゆっくりと回復していることにあるという見解を示しています。

一方、アナリストたちはAIの成長ストーリーが変わることはないと指摘しています。キャンター・フィッツジェラルドのアナリスト、C.J.ミューズ氏も、「ASMLの見通しはAIの成長に影響を与えるものではない」とコメントしています。

エヌビディアとAMDの業績:AI市場の強さ

AIのグラフィック処理ユニット(GPU)市場におけるエヌビディアの成長は顕著であり、同社は半導体市場の他の分野での低迷にもかかわらず堅調な業績を維持しています。これにより、エヌビディアはAI市場におけるトッププレーヤーとしての地位を強化しています。

一方、AMDはAI分野での売上拡大には至っていませんが、第2四半期にはデータセンター部門での売上が115%増加しました。これにより、ゲームおよび組み込み事業の売上が減少したにもかかわらず、総売上は9%増加しています。

半導体市場全体の停滞とAIの強み

半導体市場全体では、産業用および自動車用分野が依然として低迷しています。バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は、「AIの需要は継続しているが、その他の市場セグメントは回復に時間がかかっている」と指摘し、特にPCやアナログ分野について懐疑的な見方をしています。

ASMLの警告は、15日の米国半導体装置メーカーにも影響を与えました。例えば、KLA(KLAC)は14.7%下落し、アプライド・マテリアルズ(AMAT)とラム・リサーチ(LRCX)それぞれ10.7%と10.9%の下落を記録しました。

米国の輸出規制強化による影響

また、AIチップ銘柄は、さらなる米国政府の輸出規制の可能性に対する懸念から下落しています。特に、中国への先進チップ技術の輸出に対する制限がすでに課されている中で、エヌビディアやAMDへの追加規制が、AI以外の市場動向よりも大きなリスクになる可能性があります。

ブルームバーグによると、バイデン政権は中東向けにもAI半導体の販売上限を設けることを検討しているとのことです。これは、米国政府が国家安全保障に基づいて経済政策を強化する動きの一環であり、大統領選挙後も続く可能性があると指摘されています。

エヌビディアの株価変動と市場への影響

エヌビディアの株価は15日に4.5%下落しましたが、これは14日に過去最高値を付けた後の反動とも考えられます。データトレックのアナリストは、「エヌビディアのS&P 500に対する変動性は過去10年で2倍に増加している」と述べ、「この企業は、時価総額が大きくなることが、必ずしも株価のボラティリティが低下することを意味しないことを示す一例であり、また、破壊的な技術を拡大して、潜在的に爆発的な新しい機会を持つ市場に適応させた場合に何が起こるかを示している」と評しています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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