チェコ共和国中央銀行（チェコ国立銀行）は、米国株式市場での投資を積極的に進めており、特に大手テクノロジー関連企業や、著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイへの投資を拡大しています。2024年9月30日時点で、同銀行の米国株式の総保有額は99億ドルに達しました。
テクノロジー関連企業への投資拡大
パランティア・テクノロジーズ（PLTR）
チェコ国立銀行は第3四半期に、パランティア・テクノロジーズの株式を41万229株新規購入しました。同社は2024年の最初の9か月で株価が117%上昇しており、第4四半期に入ってからもさらに17%の上昇を記録しています。パランティアが9月にS&P 500指数に組み入れられたことが、同銀行の購入動機の一因と考えられます。
エヌビディア（NVDA）
エヌビディアも大きな注目を集めており、チェコ国立銀行は第3四半期に32万3570株を追加購入し、総保有株数を500万株にまで増やしました。エヌビディアの株価は2024年の最初の9か月で145%急騰し、第4四半期に入ってからも11%上昇しています。同社のCEO、ジェンスン・フアン氏は、AI（人工知能）の革新に注力する方針を示しており、さらなる成長が期待されています。
アップル（AAPL）
アップルもまた、チェコ国立銀行の主要な投資先です。同銀行は第3四半期に35万505株を追加購入し、総保有株数は310万株に達しました。2024年の最初の9か月でアップルの株価は21%上昇しましたが、第4四半期には2.3%の下落が見られます。一方、CEOのティム・クック氏は10月に5000万ドル相当の株式を売却しており、これも市場の注目を集めています。
バフェット氏のバークシャー・ハサウェイへの投資拡大
チェコ国立銀行は、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ（BRK.B）への投資も増加させています。第3四半期に2万8172株を追加購入し、総保有株数は37万3154株となりました。バークシャー・ハサウェイは、バンク・オブ・アメリカの株式保有を減少させる一方で、他の企業への投資を積極的に進めています。同社のクラスB株は、2024年の最初の9か月で29%上昇し、第4四半期はほぼ横ばいの推移を見せています。
チェコ国立銀行の投資戦略の背景
チェコ国立銀行がテクノロジー企業やバークシャー・ハサウェイに対する投資を拡大した背景には、2024年の米国株式市場の力強い成長があります。S&P 500指数は2024年の最初の9か月で21%上昇しており、とりわけテクノロジーセクターが市場全体を牽引しています。
特に、パランティアのS&P 500への組み入れ、エヌビディアのAI分野でのイノベーション、アップルの堅実な成長といった要素が、これらの企業への投資拡大に寄与したと考えられます。
まとめ
チェコ国立銀行の米国株式市場における動向は、テクノロジー株への注力とウォーレン・バフェット氏に対する信頼を明確に示しています。パランティア、エヌビディア、アップルといった企業への投資拡大は、AIやテクノロジー分野における成長への期待を反映しており、同銀行の長期的な投資戦略の一環として位置付けられます。