AIチップ市場で加速する競争!AMDが次世代GPUでエヌビディアに挑む

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、AIチップ市場の成長可能性についてさらに楽観的な見方を示しています。10月10日に発表会を行なった同社は、CEOであるリサ・スー氏が、過去1年間におけるAIの需要が予想を上回ったことを強調し、AIデータセンター向けグラフィックス処理ユニット(GPU)の市場が年率60%以上で成長し、2028年には市場規模が5000億ドルに達するとの見通しを示しました。これは、昨年12月に発表された2027年までに4000億ドルという予測をさらに上回るものです。

スー氏は、AMDが「エンドツーエンドのAIに対応する業界最高のポートフォリオ」を持っていると述べ、同社がAI分野における競争力を強化し続けていることを示唆しました。

AMDの新しいAIデータセンターGPU「Instinct MI325X」

今回の発表の目玉の一つが、最新のAIデータセンター向けGPUである「Instinct MI325X」です。この新製品は、AIに必要な大量の並列計算を効率的に処理するよう設計されています。MI325Xには256ギガバイトのHBM3Eメモリが搭載されており、これは前モデルの192ギガバイトよりも大幅に増加しています。この高帯域幅メモリ(HBM)は、特にAI向けGPUで多用され、データ処理速度の向上に貢献しています。

スー氏によると、MI325Xは特定のAI推論ベンチマークにおいて、競合製品であるエヌビディアのH200を最大40%上回る性能を発揮するとのことです。推論とは、AIモデルからの結果を生成するプロセスで、AI技術の実用化において非常に重要な役割を果たしています。

MI325Xの発売時期とパートナー企業

MI325Xは2024年第4四半期に量産出荷される予定で、2025年第1四半期にはデル、Dell、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、スーパー・マイクロ・コンピュータといったAMDの主要パートナー企業から提供される見込みです。このリリースにより、AI分野でのAMDの存在感がさらに強まると期待されています。

エヌビディアとの競争と次世代GPUのプレビュー

エヌビディアのH200は2024年初めにリリースされた製品ですが、AMDのMI325XはこのGPUに対抗する形で設計されています。ただし、エヌビディアのより新しい「Blackwell」GPUシリーズが既に市場に投入され始めており、これらの製品がMI325Xを凌ぐ性能を持つ可能性も考えられます。Blackwell GPUは、エヌビディアの最先端技術を集結させたものであり、AI市場における競争が一層激化することが予想されます。

さらに、AMDはイベント中に次世代の「MI350」GPUシリーズをプレビューしました。この新シリーズは、2025年後半にリリースされる予定であり、現行のCDNA 3アーキテクチャを搭載したGPUと比較して、推論性能が35倍向上するとされています。この進化により、AMDはAI市場での優位性をさらに強固なものにすることを目指しています。

株価への影響

AIイベント後、AMDの株価は4.6%下落し、10日の終値は164.18ドルでした。この下落は、競合するエヌビディアの新製品との比較や市場の期待を反映している可能性があります。しかし、長期的には、AI分野でのAMDの取り組みが株主や投資家にポジティブな影響を与えると予想されます。

まとめ

AMDは、AIチップ市場において強気の姿勢を示し、革新的な新製品であるInstinct MI325Xを発表しました。エヌビディアとの激しい競争が続く中、AMDは次世代GPUであるMI350のリリースを視野に入れ、市場での競争力を高めようとしています。AI市場が急速に拡大する中、AMDの今後の動向が注目されます。

*過去記事はこちら  AMD

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