半導体メーカーであるエヌビディア(NVDA)は、ITコンサルティング大手のアクセンチュア(ACN)との提携を10月2日、発表しました。今回の提携は、企業が生成AIツールをビジネスに活用するための支援を目的とし、約3万人のアクセンチュア従業員がエヌビディアのAI技術に関する訓練を受けることになります。これにより、AIを用いた業務の自動化が広範な産業で進展する見込みです。
AI導入をサポートするコンサルタントの配備
エヌビディアとアクセンチュアの提携の背景には、AIツールの需要を拡大し、より多くの企業がそのインフラを活用できるようにするという目的があります。エヌビディアは、AIチップの供給を増やす一方で、その技術を効果的に活用するための人材を育成し、導入支援を行います。特に注目されているのは、マーケティングや工場オートメーションのような業務を自動化する生成AIエージェントの利用です。
この取り組みは、企業がAI技術を実際に導入する際に直面する課題を解決することを目指しています。AI導入に対しては、コストや効果に対する不安、さらには規制やデータセキュリティに関する懸念が依然として根強く、多くの企業は導入を遅らせています。これに対し、エヌビディアとアクセンチュアは、こうした障壁を乗り越えるための包括的なサポートを提供します。
AIの普及を促進するための戦略
AI技術の普及を持続させるためには、幅広い企業がその技術を採用し、日常業務に活用することが重要です。エヌビディアは、特定の業界向けにカスタマイズされたAIモデルの提供や、それを展開するためのソフトウェアを通じて、企業によるAI利用をさらに促進しています。
エヌビディアのCEOであるジェンスン・フアン氏は、今回の提携について、「AIの巨大な可能性は、企業の自動化と業務の加速にある」と強調しています。企業におけるAI導入を後押しすることで、業務効率の向上やコスト削減といったメリットを提供し、競争力を高めることが期待されています。
アクセンチュアの役割と今後の展望
アクセンチュアは先月、最新の会計年度における生成AIによる新規予約が30億ドルに達したと報告しています。この数字は、AI技術への投資がいかに加速しているかを示すものであり、同社がAIを活用したビジネスモデルを今後さらに拡大させていく意欲を裏付けています。
今年初めに1万9000人の人員削減を行ったアクセンチュアですが、AI分野への注力が業績回復の大きな原動力となっていることは明白です。同社の従業員数は70万人を超え、今回の提携によってさらに多くの企業がAI技術を導入するための支援体制が整えられることになります。
まとめ
エヌビディアとアクセンチュアの提携は、AI技術のビジネス導入を促進し、企業が業務効率を向上させるための大きなステップです。生成AIの活用が広がることで、さまざまな産業において業務の自動化が進み、競争力を強化する新たなビジネスモデルが生まれることが期待されています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA