先週の先行販売イベントで、アマゾン・ドット・コム(AMZN) が提供するストリーミングビデオサービス「Prime Video」は、驚異的な成果を達成しました。バンク・オブ・アメリカ(BoA)のアナリストによると、アマゾンはこのイベントで18億ドル以上の広告契約を獲得し、同社の目標を大幅に上回りました。この成果は、アマゾンが競合のネットフリックス(NFLX)を大きく引き離し、ストリーミング広告市場での存在感をさらに強化したことを示しています。
Amazon Prime Videoの広告売上が急成長
BoAのアナリスト、ジャスティン・ポスト氏が率いるチームは、テクノロジー関連のビジネス誌『インフォメーション』の報道を引用し、アマゾンの広告売上が2025年には35億ドル〜40億ドルに達する可能性があると予想しています。この急成長は、Prime Videoが広告主に優れたROI(投資収益率)を提供していることを示唆しています。
Prime Videoが広告配信を開始してからわずか9か月でこの結果を達成したことは、広告主が同プラットフォームを高く評価している証拠です。BoAのアナリストは、アマゾンが既に推定1億1500万人の米国視聴者という膨大なユーザーベースを持っており、さらにコンテンツの増加と革新的な広告フォーマットによって、他のメディアに比べて強力な広告価値を提供していると指摘しています。
広告市場での競合他社との比較
アマゾンの2024年の広告売上は予想に比べてやや伸び悩んでいる可能性があるものの、BoAのアナリストは、Prime Videoが引き続き強力な成長を見せると見ています。
競合のネットフリックスは、来年の前払い広告契約で数億ドルを獲得すると報じられている一方で、ディズニー(DIS)は2022年に90億ドル、NBCユニバーサル(CMCSA)は70億ドルの前払い契約を獲得しています。さらに、ユーチューブ (GOOGL) も2024年に約70億ドルの前払い広告売上を獲得すると予想されています。
Prime Videoの広告売上がまだ他の大手に比べて控えめであるにもかかわらず、わずか9か月でこのような結果を出していることは、今後のさらなる成長の可能性を示唆しています
スポーツ中継が広告売上をさらに押し上げる
アマゾンはまた、スポーツ中継の拡大にも力を入れており、これが広告売上のさらなる成長を促進する要因となっています。2024年には、Prime Videoのコンテンツ制作とライセンス供与に推定90億ドルを投資しており、その中には木曜夜のアメリカン・フットボールのストリーミング配信に関する年間10億ドルの契約や、NBAレギュラーシーズンの試合に関する年間19億ドルの契約が含まれています。
アマゾン株の見通し
BoAは、アマゾンの株価に対して買い推奨を維持しており、目標株価を210ドルと設定しています。これは現在の株価を約13%上回る水準です。さらに、2025年に向けてアマゾンが広告プラットフォームとしての地位を強化するにつれ、株価も引き続き上昇する可能性があります。
2024年の年初来、アマゾンの株価は約22%上昇しており、S&P 500種指数 (SPX) の20%の上昇を上回っています。
まとめ
Amazon Prime Videoの広告売上は、わずか9か月で急成長を遂げ、2025年には35億ドル〜40億ドルに達する可能性があります。競合のネットフリックスやディズニー、ユーチューブと比較しても、Prime Videoの成長のスピードは目覚ましいものがあります。特に、スポーツ中継などの人気コンテンツを活用することで、さらなる広告売上の拡大が期待されています。
広告主にとって、アマゾンは膨大な視聴者数と強力なデータ測定機能を持つ魅力的なプラットフォームであり、今後の成長に注目が集まります。投資家としても、アマゾン株は依然として魅力的な選択肢であることが示唆されています。
*過去記事はこちら アマゾン AMZN