メタ・プラットフォームズ(META)は、2024年の年次イベント「コネクト・カンファレンス」で最新のVRヘッドセット「Meta Quest 3S」を発表し、注目を集めました。対照的に、アップル(AAPL)の「Vision Pro」は価格の高さが批判の的となり、同分野での競争は一段と激化しています。この記事では、メタとアップルの動向を比較し、両社の戦略がウォール街でどのように評価されているかを掘り下げます。
メタの新製品発表とウォール街の評価
メタは新型VRヘッドセット「Meta Quest 3S」を、前モデルよりも低価格である299.99ドルで販売することを発表しました。これは、アップルの高価格VRヘッドセット「Vision Pro」が3,499ドルからスタートするのに対して、非常に競争力のある価格設定です。
シチズンズJMPのアナリスト、アンドリュー・ブーン氏は、メタのハードウェア改善とAI技術の進化により、同社がソーシャルメディア企業からメタバース企業へと進化していると評価。メタの目標株価を550ドルから635ドルに引き上げ、引き続き市場でのアウトパフォームを期待しています。
また、ローゼンブラット・セキュリティーズのアナリスト、バートン・クロケット氏は、メタが価格に敏感な消費者に訴求する点でアップルよりも優れた判断を下したと指摘し、メタの戦略が成功する可能性に強気な姿勢を見せています。
アップルの課題と将来の展望
一方、アップルの「Vision Pro」は、その価格の高さから手軽に消費者が手に取るにはハードルが高いとされています。クロケット氏は、アップルが「リセットボタンを押して」、より軽量で扱いやすいデバイスを開発すべきだと述べています。メタのようなスリムなメガネ型デバイスが、将来的に市場の勝者となる可能性が高いというのが同氏の見解です。
メタのVR戦略と投資家への影響
メタは、VRや拡張現実(AR)の分野で大きな投資を続けており、その分リアリティ・ラボ部門では第2四半期に45億ドルの営業損失を計上しています。しかし、メタはこの損失を吸収する能力を持ち、その先にある市場の成功を見据えています。クロケット氏は、特に「Meta Smart Glasses」が年末商戦で人気商品となる可能性が高いと予測し、メタの投資が実を結びつつあると述べています。
メタのハードウェア戦略に関しては、BofA証券のアナリスト、ジャスティン・ポスト氏も楽観的な見方を示しており、メタの目標株価を563ドルから630ドルに引き上げ、今後の成長に期待を寄せています。
まとめ:メタの成長をどう見るべきか?
ウォール街では、メタの戦略的な価格設定と長期的なビジョンに対して好意的な評価が集まっており、特にMeta Quest 3Sが成功する可能性が高いと見られています。一方で、アップルはVR市場でのプレゼンスを高めるためのさらなる取り組みが必要とされています。メタがメタバース企業としての地位を確立していく中、同社の今後の動向には引き続き注目が集まります。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ アップル AAPL