クラウドストライクCEOの大規模株式売却、その背景にある理由を解説!

2024年7月、サイバーセキュリティ企業クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)は、バグが多発したソフトウェアアップデートによってマイクロソフト(MSFT)のWidowsプラットフォームに深刻な障害を引き起こしました。この問題により、同社の株価は急落し、その影響は現在も続いています。しかし、この厳しい状況にもかかわらず、クラウドストライクの経営陣は大量の株式を売却しました。

この記事では、CRWD株の最新動向や株式売却の背景、また今後の見通しについて詳しく解説します。

株価の急落:クラウドストライクに何が起こったのか?

7月19日、クラウドストライクの株価はバグだらけのソフトウェアアップデートの影響を受けて約11%急落し、304.96ドルまで下がりました。その後、翌週月曜日にはさらに13%下落し、263.91ドルにまで値を下げました。この障害の影響は大きく、同社の信頼性に対する市場の懸念が高まりました。

しかし、株価はその後やや持ち直し、9月25日の水曜日には286.47ドルで取引を終えました。それでも、クラウドストライクの株価は障害が発生する前の水準にはまだ戻っていません。

経営陣による大規模な株式売却

特筆すべきは、株価が低迷する中で、クラウドストライクの経営陣が大規模な株式を売却したことです。同社のCEOであり創業者でもあるジョージ・クルツ氏は、9月23日に55,325株を売却し、1株あたりの平均価格は296.62ドル、総額1,640万ドルの取引を行いました。

売却の理由:税金対策と株式の権利確定

クルツ氏の売却は、単なる利益確定ではなく、制限株式ユニットの権利確定に伴う源泉徴収税の支払いが理由とされています。つまり、これは同社の管理方針に基づいた措置であり、経営者としての信頼性を損なうものではありません。クルツ氏は売却後も、個人口座で110万株以上のクラウドストライク株を引き続き保有しています。

また、クルツ氏はこの売却と同時に37,228株のクラスB株式を普通株に転換しました。クラスB株式は1株につき10票の議決権を持ち、同氏の議決権は依然として強力です。最新の提出書類によると、クルツ氏は1,433,666株のクラスB株式を保有しており、さらに信託を通じて1,721,038株のクラスB株式も所有しています。

ほかの経営陣も同様の動きを見せる

CEOのクルツ氏に続き、他の経営陣も同様に株式を売却しています。たとえば、最高セキュリティ責任者(CSO)のショーン・ヘンリー氏は、9月23日と24日に合計13,584株を売却し、総額約400万ドルを得ました。同氏の売却の一部は税金対策でしたが、残りは事前に設定された取引計画(10b5-1プラン)に基づくものです。

CFOやその他の役員も株式を売却

最高財務責任者(CFO)のバート・ポッドベア氏や社長のマイケル・セントナス氏も、それぞれ330万ドル、320万ドル相当の株式を売却しています。同氏らもまた、源泉徴収税の支払いが目的であり、株価への影響を最小限に抑えようとしています。

インサイダー取引の疑惑を避けるための措置

これらの経営陣による株式売却は、10b5-1プランという取引計画に基づいて行われました。この計画は、経営陣が未公開情報を利用して取引を行うことによる利益相反を避けるためのものです。価格や数量があらかじめ決められており、市場の動向に関係なく自動的に売却が行われます。

今後の株価動向

クラウドストライクの株価は不具合発生後、一時的な回復を見せたものの、依然として不安定な状態にあります。しかし、サイバーセキュリティ市場における同社の重要なポジションは揺るぎないものとされています。特に、経営陣が依然として大量の株式を保有していることから、長期的な成長には楽観的な見方もあります。

まとめ

クラウドストライクの株価は、7月に発生したソフトウェア不具合による大幅な下落から完全には回復していませんが、経営陣の売却は主に税金対策であることが確認されています。同社は今後もサイバーセキュリティ市場での強固な地位を維持し続けると予想されており、長期的な投資家にとっては引き続き注目すべき銘柄です。

*過去記事はこちら クラウドストライク CRWD

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