欧州のエヌビディア発見?AIサプライチェーンで台頭するズース・マイクロテック

  • 2024年9月23日
  • 2024年9月23日
  • BS余話

世界のAI市場は、これまでエヌビディアのような米国企業が牽引してきました。しかし、最近ではその輝きが薄れつつあると指摘する声もあります。そんな中、投資家たちは次なる注目株を探しており、ジェフリーズはその答えとして「ヨーロッパのエヌビディア」を見つけたと発表しました。それが、ドイツのチップ機器サプライヤー、ズース・マイクロテック (SÜSS Microtec, SESMF) です。

ズース・マイクロテックとは?

ズース・マイクロテックは、ドイツのバイエルン州に本社を置く企業で、時価総額は10億9000万ユーロ(約12億1000万ドル)。同社は、半導体製造に欠かせない先進的なパッケージング技術「チップオンウェーファーオンサブストレート(COWOS)」を提供しており、その技術の30%は半導体製造に活用されています。

特に注目すべきは、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)がズース・マイクロテックのツールを使用して、エヌビディアのAIグラフィックチップである「Hopper」や「Blackwell」などの主要製品をパッケージングしていることです。この点が、ズース・マイクロテックを「エヌビディア/AIのサプライチェーンにおいて、ヨーロッパでユニークな存在」と位置づける理由となっています。

ジェフリーズが推奨する理由

投資銀行ジェフリーズの株式アナリストであるオリビア・ハニーチャーチ氏は、ズース・マイクロテックの株式に「買い」の評価を付け、目標株価を76ユーロとしました。これは、現在の株価から34%の上昇余地があることを意味しています。同氏は、ズース・マイクロテックの多層的なAI市場へのエクスポージャーを評価しており、エヌビディアの成功に大きく貢献するポテンシャルを持つと見ています。

ズース・マイクロテックは2024年にはすでに104%の上昇を記録しており、同時期にエヌビディアが134%の上昇を見せたことと比較しても、非常に健闘していると言えるでしょう。

ズース・マイクロテックの将来性

ズース・マイクロテックの強みは、ヨーロッパにおけるAIサプライチェーンでのユニークなポジションにあります。特にTSMCとのパートナーシップを通じて、エヌビディアの主要チップ製造プロセスに深く関与している点が大きな魅力です。AI技術の進化が加速する中で、ズース・マイクロテックはその技術力をさらに強化し、市場シェアを拡大していくことが期待されます。

また、同社はフランクフルト証券取引所に上場していますが、米国在住の投資家は店頭市場(OTC市場)を通じて株式を購入することが可能です。OTC市場は、ニューヨーク証券取引所やナスダックのような大手取引所と比べて規制が緩やかであり、比較的小規模な企業にも投資しやすいのが特徴です。ただ、日本国内で購入することはネットで調べる限りでは難しいようです。

まとめ:ヨーロッパの次世代AI株として注目

エヌビディアに続く次世代AI株として、ズース・マイクロテックは大いに注目すべき存在です。投資家にとっては、ヨーロッパのAIサプライチェーンにおいてズース・マイクロテックがどのような成長を見せるのか、今後の展開を見守る価値が十分にあると思われます。

特に、AI技術の進化がますます重要視される中で、エヌビディアに匹敵するような企業を探している投資家にとって、ズース・マイクロテックは非常に魅力的な選択肢と言えます。今後、AI関連市場がさらに拡大するにつれて、ズース・マイクロテックの株価もさらなる上昇を見せる可能性があると予想されます。

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