来週、半導体大手マイクロン・テクノロジー（MU）は四半期決算を発表する予定です。市場が注目する中、多くのアナリストが同社の今後の指針について慎重な見方を示しています。一方で、シティグループのアナリスト、クリストファー・ダネリー氏は依然としてマイクロンの購入を推奨しています。
悲観的な見解が多数を占める中での強気の推奨
ダネリー氏は、投資家とのやり取りを基に、9月25日の決算発表に対する市場の期待感を分析。同氏が得た結論は、多くの投資家がマイクロンに対して悲観的な見通しを持っているというものでした。特に、ヘッジファンドの多くはネガティブな見解を持っており、約80%の投資家が弱気だと述べています。しかし、一部の投資信託はポジティブな見解を持っているとのことです。
今年に入り、マイクロンの株価は4.7%上昇しましたが、最近のテクノロジー株全般の調整に伴い、6月18日に記録した終値最高値153.45ドルから42%の下落を見せています。この急落の背景には、テクノロジー関連株からの資金流出、競争の激化、さらには地政学的な懸念が影響していると考えられます。PHLX半導体株価指数は2024年7月10日に付けた終値5,904.54ドルから約14%下落しています。
アナリストたちの評価と見通し
最近では、何人かのアナリストがさらに悲観的な見解を発表しています。BNPパリバのアナリスト、カール・アッカーマン氏は、マイクロンの格付けを「アウトパフォーム」から「アンダーパフォーム」に引き下げ、目標株価も140ドルから67ドルへと大幅に引き下げました。同氏は、高帯域幅メモリ（HBM）の供給過剰により、メモリチップの平均販売価格が低下し、同社が2025年までAI半導体市場の競合他社に後れを取る可能性があると予想しています。
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また、モルガン・スタンレーのアナリストもマイクロンの目標株価を140ドルから100ドルに引き下げ、格付けは「イコールウェイト」を維持。第4四半期と第1四半期の平均販売価格の伸びに懸念を示しており、このトレンドが改善しない限り、株価の低迷が続くと予想しています。
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マイクロンの今後に期待するポイント
一方で、ダネリー氏は引き続きマイクロンに対して強気の姿勢を維持しています。同氏は、89,2ドルあまりの現在の株価は12ヶ月先予想利益の9.6倍で取引されており、これは過去5年間の平均である21倍を大きく下回っていると指摘。この割安感と、同社のAI関連の取り組みにより、今後の需要増加が見込まれることを考慮すると、マイクロン株を買う理由になるとしています。
まとめ
マイクロン・テクノロジーは、半導体業界全体の動向や市場の懸念により、厳しい状況に直面しています。しかし、その割安な評価とAI技術への対応による成長期待から、一部のアナリストは引き続き強気の姿勢を崩していません。投資家は今後の決算報告に注目し、マイクロンが提供するガイダンスにどのような反応があるかを見極めることが求められます。