AIサーバー市場の覇権争い!スーパーマイクロ vs デル、勝者はどっち?

米国みずほ証券のアナリスト、ビジェイ・ラケッシュ氏は、スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)について、長年にわたりAIサーバー市場でリーダーとして活躍していると評価しています。しかし、同社株式に対しては慎重な姿勢を崩さず、投資家に対しても慎重な検討を促しています。ラケッシュ氏は、同業界に投資する場合、サーバー市場で競合するデル・テクノロジーズ(DELL)の株式の方が、より魅力的であると述べています。

AIサーバー市場の現状

AIサーバーは、AI技術の基盤を支える重要なインフラです。ラケッシュ氏によれば、この市場で大手OEM(オリジナル・イクイップメント・メーカー)企業の中でも特にスーパーマイクロとデルが主導権を握っています。スーパーマイクロは市場での存在感が強く、業界内では「コンセンサスAIリーダー」として広く認識されています。しかし、AIサーバー市場における競争が激化している現在、デルもまた急成長しており、シェアを拡大しています。

スーパーマイクロとデルの株価動向

スーパーマイクロの株価は年初来で53.7%上昇しており、デルの51.7%の上昇をわずかに上回る成績を収めています。しかし、スーパーマイクロの株価は3月13日に記録した1,188.07ドルという高値から大幅に下落し、63.2%もの急落を見せました。一方、デルの株価は同期間で5.5%上昇しており、投資家にとって安定したリターンを提供しています。

スーパーマイクロに潜むリスク

ラケッシュ氏は、スーパーマイクロが直面している課題について警告しています。特に、デルとの競争が激化していることにより、スーパーマイクロの価格と利益率が圧迫される可能性が高まっています。同社はこれまでAIサーバー市場の80%〜100%を占めていましたが、今年はそのシェアが40%〜50%に減少すると同氏は見込んでいます。

また、スーパーマイクロはGPUの供給に強みを持っていたものの、今後数年間でAI GPUの供給が改善し、市場価格が低下することで、同社の利益率にも圧力がかかると予想しています。

デルの強みと今後の成長見込み

一方で、デルは強固なサプライチェーンを持ち、AIサーバー市場でのシェアを拡大しており、2024年にはサーバー市場全体で約13%のシェアを獲得するとラケッシュ氏は見ています。デルは、AIサーバーだけでなく、ストレージやサービス提供を組み合わせた競争力のある価格設定により、今後もさらなるシェア獲得が期待されると同氏は考えています。

ラケッシュ氏は、デルの株式に対してアウトパフォームの評価を与えており、目標株価を135ドルとしています。これは現在の水準から約16%の上昇を示唆しており、投資家にとって魅力的な投資先として注目されています。

投資家が注目すべきポイント

スーパーマイクロはAIサーバー市場での先行者利益を活かしてきましたが、競争が激化する中でシェアを失いつつあります。デルは、価格競争力やサプライチェーンの強みを活かし、シェアを拡大していることから、今後も成長が期待されています。AIサーバー市場における競争は今後も続くと予想されるため、投資家は両社の動向に注意を払い、適切なタイミングでの投資判断が重要です。

*過去記事はこちら  スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI デル・テクノロジーズ DELL 

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