エヌビディア(NVDA) の株価は、アジアのサプライチェーンから次世代チップに対する強い需要が示されたにもかかわらず、9月17日の米国市場で1%下落しました。前日に続く下落で終値は115.59ドルとなっています。
先月、エヌビディアは市場の期待を下回る売上予測を発表し、今後の株価上昇が継続できるかについて疑問が投げかけられました。にもかかわらず、ウォール街のアナリストの間では、同社の次世代「Blackwell」チップが成長の潜在的な原動力となる可能性が依然として高いとされています。
次世代「Blackwell」チップに期待
オッペンハイマーのアナリスト、リック・シェーファー氏は、アジアの半導体サプライチェーン企業との対話から、「AI市場の活況とAI以外の分野の低迷が対照的に浮き彫りになっている」と述べています。これは、エヌビディアがAI関連分野での成長を維持する一方、その他の分野での停滞が懸念されている状況を反映しています。
シェーファー氏によると、クラウドコンピューティングの大手顧客は、2025年にエヌビディアの次世代「GB200 NV液冷ラックシステム」への移行を進めており、巨額の投資を続けています。このシステムは36または72のグラフィック処理ユニット(GPU)をネットワーク接続し、平均販売価格は180万ドルから350万ドルと見積もられています。また、メーカーは2024年にこの「NV72システム」の4万台相当の出荷を見込んでいます。
エヌビディアは依然として市場トップの選択肢
シェーファー氏は、エヌビディアが半導体業界において、カスタムチップ設計で有名なブロードコム(AVGO)やマーベル・テクノロジー(MRVL)と並び、依然として投資家のトップ選択肢であると強調しています。さらに、エヌビディアのGPU向けに電源管理デバイスを提供しているモノリシック・パワー・システムズ(MPWR)も、同様に注目すべき企業として挙げられています。
他の半導体メーカーの動向
エヌビディアだけでなく、他の主要半導体メーカーも株価が変動しています。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD)は0.8%の下落を見せており、ブロードコムは1%の下落となりました。一方で、iシェアーズ・セミコンダクター上場投資信託(SOXX)は0.1%上昇しており、市場全体での動向はまちまちです。
まとめ
エヌビディアは次世代の「Blackwell」チップとAI関連分野の成長によってさらなる躍進が期待されていますが、市場全体の懸念と売上予測の失望が短期的な株価下落の要因となっています。今後の動向を見守りつつ、AI関連分野の強い需要が株価回復の原動力になるかが注目されています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA