アップルの革新に陰り?AI時代の課題と株価の行方を探る

株式市場におけるアップル(AAPL)に対する期待感は今後どうなっていくのでしょうか?著名な投資家であり、10,000 Days Capital Managementのチーフ・インベストメント・オフィサーでもあるコーディ・ウィラード氏が、アップルの現状と今後の成長の見通しについて、マーケットウォッチに寄稿した記事を通じて考えてみたいと思います。

ウィラード氏は、現在のアップルのイノベーションが「漸進的」であることに注目し、スティーブ・ジョブズが築き上げたエコシステムを超えるような革新的な製品が不足していると指摘しています。同氏の分析は、今後アップルが株価のさらなる成長を実現するために必要な課題について深く掘り下げています。

アップルの革新は停滞しているのか?

ウィラード氏は、iPhone 16や新しいApple Watch、AirPodsなどの最新製品について、期待される技術的な進化が小規模であると述べています。特に、次世代AI「Apple Intelligence」の搭載が注目されているものの、劇的な革新には至らないだろうという見方を示しています。同氏は、これらの製品は「より良いカメラ」や「少し長いバッテリー寿命」など、マイナーなアップデートにとどまる可能性が高いと予想しています。

株価の評価は高すぎる?

さらに、ウィラード氏はアップルの株価バリュエーションがフォワードPER33倍という高水準で取引されていることに触れ、今後、アップルが真のイノベーションを再び起こさなければ、株価は長期的に停滞するリスクがあると警鐘を鳴らしています。同氏の見解では、アップルの格付けは現在の評価額では「ホールド」であり、積極的な買いのタイミングではないとしています。

AI技術と未来への展望

ウィラード氏は、アップルのAI技術「Apple Intelligence」に期待は寄せつつも、他の競合企業—特にアルファベット、アマゾン、メタ—がAI分野で先行している現状を指摘しています。アップルがこれらの技術をサードパーティに依存する形で進めるリスクが、今後の同社の立ち位置に影響を与える可能性があるとしています。

ジョブズが生きていれば?

ウィラード氏の考察の中で特に印象的だったのは、スティーブ・ジョブズが生きていればという視点です。同氏は、ジョブズが現在のアップルを率いていたならば、すでに新たな革命的製品が登場していただろうと述べています。ウィラード氏は、VR/ARグラスやロボット、あるいは植え込み型コンピュータインターフェースなどの革新的なデバイスがジョブズの手で実現されていたはずだと語っています。

今後の投資判断

ウィラード氏の最終的な結論は、現状のアップルはまだ数年間は安定した企業であり続けるものの、真の革新がなければ長期的な株価の上昇は難しいだろうというものです。同氏は、アップルの株価がより低い評価額で取引される時が来るか、あるいは同社がAI技術を通じて再び革新を起こす時を待つべきだと述べています。

まとめ

コーディ・ウィラード氏が寄稿したこの記事は、アップルに対する冷静な見通しと、今後の成長に対する課題を浮き彫りにしています。アップルの株価が過去10年間にわたって成長してきた背景には、スティーブ・ジョブズが築いた強力なエコシステムがありますが、次の10年間で同社が引き続き支配的な存在であるためには、新たな革新が不可欠です。アップル株の投資に関しては、ウィラード氏の洞察を参考に、慎重な判断が求められています。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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