半導体業界で世界をリードする台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)の株価が9月12日の台湾市場で4.79%上昇し、アジア市場で最も注目される銘柄のひとつとなりました。この上昇の背景には、エヌビディア(NVDA)のジェンスン・フアンCEOが、AI需要に対する投資家の懸念を和らげ、特にTSMCを称賛したことがあります。
エヌビディアCEOの発言が半導体株に追い風
フアンCEOは、9月11日に開催された投資銀行ゴールドマン・サックスのカンファレンスにて、TSMCを「信じられないほどの差で世界一」と評価。同氏は、エヌビディアが設計するチップを製造するTSMCとのパートナーシップを「長年の成功の礎」として言及しました。
さらに、2023年に急成長したエヌビディアの売上について「TSMCを含むサプライチェーンの敏捷性がなければ不可能だった」と述べ、サプライチェーンの柔軟さと規模の拡大に感謝の意を表しました。
半導体業界におけるAI需要の高まり
フアンCEOの発言により、半導体業界に対する市場の信頼が回復。これにより、TSMCのみならず、アジア全体の半導体関連銘柄も上昇しました。
- フォックスコン (鴻海精密工業):4.7%上昇
- サムスン電子:2.16%上昇
- SKハイニックス:7.4%上昇
- 東京エレクトロン:4.8%上昇
特にTSMCは、エヌビディアが製造を委託する重要なパートナーであり、AIや高性能コンピューティングの需要が引き続き成長していく中で、その役割はますます重要視されています。
AIブームと半導体業界の未来
半導体業界は、ここ数年のAIブームにより急速に成長を遂げています。エヌビディアのCEOが語ったように、AI技術の発展が止まることなく進行していることが明らかになり、投資家はこの業界に対して引き続き高い期待を抱いています。
TSMCの技術力、サプライチェーンの強靭さ、そしてエヌビディアとの長年にわたる協力関係が、同社の強固な基盤を支えており、これが今後も成長を牽引していくと予想されています。
今後、TSMCをはじめとする半導体関連株は、引き続き注目されることが予想され、特にAI分野における需要の増加が同業界の持続的成長を支える鍵となりそうです。
*過去記事「AIチップ需要で好調!TSMCの第2四半期業績を徹底解説」