アクソン・エンタープライズ(AXON)の株価が急上昇しています。9月12日の終値は6.3%高の384.51ドルとなり、ウォール街の注目を集めました。今回の株価上昇の要因は、JMP証券のアナリスト、トレバー・ウォルシュ氏のレポートが大きな影響を与えています。
JMP証券が目標株価を大幅引き上げ
ウォルシュ氏は、アクソンの目標株価を一気に55ドルも引き上げ、430ドルとしました。また、同氏はアクソンが市場をアウトパフォーム(市場平均を上回るパフォーマンス)すると予測し、買い推奨を継続しています。このレポートは、アクソンの強力な成長見通しに対する投資家の期待感をさらに高めています。
連日の目標株価引き上げ
今回の目標引き上げは今週2度目です。10日には、ベアードのアナリスト、ウィリアム・パワー氏も目標株価を400ドルに引き上げ、同様に「買い推奨」を発表しました。このように、複数の著名なアナリストがアクソンに対して強気の姿勢を見せており、アクソンの成長に期待を寄せています。
アクソンが高評価を受けている理由
アクソンは、警察用のテーザー銃やボディカメラで広く知られていますが、最近ではAI技術を活用したソフトウェア製品でも注目を集めています。アナリストたちは、この分野におけるアクソンの成長を高く評価しており、特に今年の第2四半期において、ソフトウェア部門の売上が前年同期比47%増という成果を出しています。この部門の売上は今や年間売上の8億ドル近くを占めるまでになっており、今後のさらなる成長が期待されています。
加えて、アクソンは人工知能を活用した「ドラフトワン」と呼ばれる新しいソフトウェアツールの売上が70%増加しており、AI技術の進展が同社の収益に大きく貢献していることが強調されています。
アクソン株は買いか?専門家の見解
アクソンは今やAI関連銘柄としても注目されており、ウォール街の投資家から熱狂的な支持を受けています。しかしながら、高成長銘柄であるがゆえのリスクもあります。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、アクソンは過去5年間で年間平均32%の成長を見せていますが、その一方で株価は非常に割高であり、過去1年間の利益の94倍、フリー・キャッシュフローの134倍という評価がされています。
これほど高い評価を受けている銘柄は、成長が鈍化すると市場の期待が大きく崩れ、株価が急落するリスクがあります。したがって、投資家は成長率の動向を注意深く見守る必要があります。
まとめ
アクソン・エンタープライズは、テーザー銃やボディカメラの製造で知られる企業ですが、今やAI技術を活用したソフトウェア事業の成長により、ウォール街で大きな注目を集めています。アナリストたちはアクソンの成長を高く評価しており、複数の専門家が「買い」の推奨をしています。ただし、株価が割高であることを踏まえ、投資家は成長鈍化のリスクに十分注意する必要があります。
*過去記事はこちら アクソン AXON