エヌビディア（NVDA）は一時的な調整局面を迎えたものの、ここ数日で株価は再び上昇基調を取り戻しています。特に、9月11日（水）の取引では、株価が 8.03% 上昇し、116.78ドルで取引を終了しました。この急回復は、米国の株式市場全体の動向とも連動しており、同日S&P 500指数（SPX）は 1.07% 上昇し、取引を終えました。
エヌビディアと他の半導体関連銘柄のパフォーマンス
エヌビディアだけでなく、他の半導体関連企業も大きな成長を見せています。スーパー・マイクロ・コンピュータ（SMCI）は 7.92% 上昇し、ブロードコム（AVGO）も6.75%上昇と好調でした。さらに、半導体関連株に連動する上場投資信託（ETF）である iシェアーズ半導体ETF（SOXX） は 4.64% 上昇し、半導体業界全体が注目されています。
株式市場の動向とエヌビディアの位置づけ
エヌビディアは、2024年に入り3桁の利益を記録するなど、AIチップ市場をリードする存在です。しかし、景気減速により、AI需要の急速な成長が鈍化するのではないかという懸念から、過去3か月で株価は約 7% 下落していました。加えて、先月末に発表された販売見通しが市場の期待を下回ったことも、この下落を加速させた要因の一つです。
資産運用会社とエヌビディアのCEOの動き
フィデリティやT.ロウ・プライスといった大手資産運用会社は、エヌビディアの株式保有比率を引き下げており、同社のCEOであるジェンセン・フアン氏も一部の株式を売却しています。この動きは一部の投資家に不安を与えたものの、AI関連事業に対する需要は引き続き強いと見られています。
オラクルの好調な決算とAIチップ需要の見通し
ソフトウェア大手のオラクル（ORCL）は、好調な決算を発表し、AIチップに対する需要が依然として堅調であることを示しました。オラクルの共同創業者兼最高技術責任者（CTO）であるラリー・エリソン氏は、原子力発電をエネルギー源とするAIブームを予測し、今後1000億ドル規模の市場が成長すると述べています。エリソン氏は、エヌビディアのチップを活用した大規模なデータセンターの増設に向けたクラウドコンピューティング企業の取り組みを強調しており、現在オラクルは162のデータセンターを運営していますが、最終的には 2,000 まで増やす可能性があると述べています。
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さらに、イーロン・マスク氏のスタートアップ企業xAIは、エヌビディアのGPUを大量に使用し、AIトレーニングインフラ「Colossus」を構築中です。メタ・プラットフォームズ（META）もエヌビディアのH1チップを数十億ドル規模で購入する計画を立てており、AI市場の需要は引き続き強力です。
他の半導体銘柄のパフォーマンス
他のチップメーカーにも注目が集まっています。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ（AMD）は 4.90% 上昇し、クアルコム（QCOM）も 3% 上昇しました。これらの動向は、AI技術や半導体市場全体の成長が持続する可能性を示唆しています。
エヌビディアとAI市場の今後の見通し
エヌビディアは、AIチップ市場を独占的にリードしており、2024年以降もその地位を強化していく見通しです。オラクルやxAI、メタといった企業の動きからも、AI需要は引き続き強く、エヌビディアの成長が続くことが期待されています。しかし、一部の投資家の懸念や市場全体の不安定さも無視できないため、今後の株価動向には注意が必要です。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA