オラクル(ORCL)は、9月9日の米国市場終了後に四半期決算を発表し、時間外取引で株価が9%以上急騰しました。ソフトウェア企業としてクラウド事業に大きくシフトしたオラクルは、今後も成長が期待される重要な企業の1つです。
第1四半期の好調な業績
オラクルは、第1四半期の純利益を29億2000万ドル(1株当たり1.03ドル)と発表、前年同期の24億2000万ドル(1株当たり0.86ドル)を大きく上回りました。調整後ベースでは、1株当たりの利益は1.39ドルとなり、アナリスト予想の1.33ドルを超える結果を出しています。
売上高も前年同期の124.5億ドルから133.1億ドルに増加し、アナリスト予測の132.3億ドルを上回る成績となりました。
クラウドサービスの成長が利益拡大の原動力
オラクルのクラウドサービスおよびライセンスサポートからの売上は105.2億ドルに達し、前年比で7%増加しました。この成績もアナリストの予測である104.7億ドルを超えており、同社のクラウド事業の成長が続いていることが確認されました。
CEOのサフラ・カッツ氏は「クラウドサービスがオラクルの最大の事業となり、営業利益と1株当たり利益の成長が加速した」と発表しており、クラウド分野での優位性が企業全体の利益拡大につながっていると述べています。
AWSとの提携でさらなる成長加速
オラクルは、Amazon Web Services(AWS)とのマルチクラウドパートナーシップを発表しました。この提携により、AWSの顧客はオラクルのデータベースサービスにアクセスしやすくなり、2024年にはさらに多くの企業がオラクルのクラウドソリューションを採用することが予想されます。
この動きは、オラクルがよりオープンで協力的なアプローチに移行していることを示しており、これまでのクローズドな戦略からの大きな変革です。最近では、マイクロソフトやアルファベットとも提携し、クラウド市場での存在感を増しています。
第2四半期の見通しと成長の期待
オラクルは第2四半期において、為替レートが現在の水準で推移した場合、恒常通貨ベースで7~9%、ドルベースでは8~10%の増収を見込んでいます。さらに、クラウド関連の売上は為替レートを考慮しない場合23~25%の増収、ドルベースでは24~26%の増収が予測されています。
また、オラクルは次の四半期の1株当たり利益を1.45ドル~1.49ドルと予測しており、アナリスト予測の1.48ドルにほぼ一致しています。
まとめ
オラクルは、クラウドサービスの急成長とAWSとの提携を背景に、今後も利益拡大が期待される企業です。ソフトウェア企業としての収益性の向上は、投資家からも高く評価されており、株価のさらなる上昇が見込まれます。今後の四半期報告も注目されており、オラクルの成長戦略に期待が高まっています。
*過去記事「オラクル株、短期的な下落の背後にある長期的成長のチャンス」