エヌビディア（NVDA）の最近の急激な株価下落に不安を感じている方も多いかもしれません。しかし、短期的な動向にとらわれず、視野を広げて将来を見据えれば、その不安も和らぐでしょう。この記事では、長期投資先としてのエヌビディアの今後について考えてみたいと思います。
10年前にエヌビディアに5,000ドル投資していたら…
10年前に5,000ドル分のエヌビディア株を購入していたと仮定すると、現在その投資価値はなんと122万ドル以上に達しています。この事実は、堅実な成長企業を長期にわたり保有することがどれほどの利益をもたらすかを示す一例です。
今後10年間でエヌビディアが同様のリターンを生み出すかは、時価総額がすでに3兆ドル近くに達していることを考えると難しいかもしれません。しかし、同社の堅実な成長見通しとAI分野への深い関与を考慮すると、依然として長期投資に値する企業であることは間違いありません。
エヌビディアがAI時代で主導的な役割を果たす理由
エヌビディアは、人工知能（AI）の急速な成長に伴い、AIチップ市場で80%以上のシェアを占めており、その独占的な地位を築いています。特に、2022年末頃に登場したAIチャットボット「ChatGPT」は、エヌビディアのA100 GPUでトレーニングされており、それ以来、同社の株価は急上昇しました。
エヌビディアはAIチップ市場にとどまらず、AI関連のハードウェアとソフトウェアの提供を拡大しており、データセンターから顧客向けカスタムAIアプリケーションの開発まで、あらゆる分野で利用される技術を提供しています。同社のAIチップ市場でのシェアは圧倒的で、今後もAI技術を活用する企業にとってのワンストップソリューションとしての地位を強化していくと見られています。
データセンターとソフトウェア分野の成長
エヌビディアは、データセンター事業でも大きな成功を収めており、AIモデルのトレーニングや推論アプリケーションに関わる売上が急増しています。2023年には、過去4四半期のデータセンター売上の40%がAI推論アプリケーションによるものと報告されています。さらに、CEOのジェンスン・フアン氏は、今後数年間でデータセンターの売上が1兆ドル規模に達する可能性があると述べています。
また、エヌビディアはAIソフトウェア市場にも積極的に参入しており、2023年には企業向けにAIアプリケーションを構築・運用するための「Nvidia AI Foundations」サービスを開始しました。さらに、2025年までにソフトウェア事業の売上高が年間20億ドルに達する見込みです。この成長は、同社の全体的な売上をさらに押し上げることになります。
エヌビディアの今後10年間の成長予測
アナリストによると、エヌビディアは今後5年間で年間売上成長率52%を記録すると予測されています。仮にこの成長率が今後10年間でやや緩やかになったとしても、依然として30%の成長を維持できる可能性が高いです。この成長が続けば、エヌビディアの1株当たりの利益は10年後には現在の10倍に達する可能性があります。
エヌビディアの株価は現在も高いですが、AI市場のリーダーとしての地位、そしてデータセンターやソフトウェア事業の成長を考慮すると、長期的なポートフォリオに加えるべき株であることに異論を唱える専門家は少ないと思われます。
結論：エヌビディアは長期投資家にとって有望な銘柄
エヌビディアは、AI時代の中心に位置する企業であり、その成長は今後10年間でも続くと予想されます。特に、AIチップ市場でのリーダーシップとデータセンター・ソフトウェア事業の急成長により、同社の株価はさらに上昇する可能性が高いと思われます。堅実な成長企業への長期投資を検討している投資家にとって、エヌビディアは今後も注目すべき銘柄です。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA