Zスケーラー（ZS） の株価が9月4日の米国市場で急落し、終値が18.67%安の157.13ドルとなりました。同社は前日の3日に2024年度第4四半期の決算を発表し、アナリストの予測を上回る結果を示しましたが、株価は大きく下落しました。これは、投資家がZスケーラーの最近の業績ではなく、今後の成長見通しに対して不安を抱いていることが理由です。
Zスケーラーの第4四半期決算：予想を上回るも株価下落
Zスケーラーは2024年度第4四半期に、売上高5億9290万ドル、調整後1株当たり利益0.88ドルという好調な業績を発表しました。これは、アナリストの予想であった売上高5億6790万ドル、調整後1株当たり利益0.69ドルを大幅に上回る結果です。
しかし、この好業績にもかかわらず、投資家はZスケーラーの今後の成長力に懸念を抱いているようです。同社が発表した来年度のガイダンスが市場の期待を下回ったことが、その背景にあります。
売上・利益は堅調も、GAAPベースではまだ赤字
Zスケーラーは第4四半期の売上高が前年同期比で30%増加し、請求額も27%増、繰延収益は32%増加しました。これらの数字は、サイバーセキュリティ需要の増加を反映しており、同社のビジネスは引き続き成長していることを示しています。
非GAAPベースでの1株当たり利益は0.88ドルとなり、アナリスト予想を上回る結果を残しましたが、GAAPベースでは1株当たり0.10ドルの損失を計上しました。年間ベースで見ると、ZスケーラーのGAAP損失は1株当たり0.39ドルで、前年度の1株当たり1.40ドルからは大幅に減少しています。
このように、同社は非GAAPベースでの収益力を高めている一方で、GAAPベースの黒字化にはまだ時間がかかる見通しです。
Zスケーラーのガイダンスが投資家の不安を呼んだ理由
ZスケーラーのCEOであるジェイ・チャウドリー氏は、第4四半期の結果について「すべての指標において、当社の予測の上限を上回る」と自信を示しています。しかし、投資家が注目しているのは、Zスケーラーの来年度に関するガイダンスです。
同社は2025年度第1四半期の非GAAPベースで1株当たり0.62ドル、通年では2.84ドルの利益を予想しています。売上高は前年比20%増加する見込みですが、ウォール街のアナリストのコンセンサス予想は、それぞれ1株当たり0.73ドル、通年で3.33ドルでした。この予測の差が、投資家に不安を与えた要因と考えられます。
さらに、ZスケーラーがGAAPベースで黒字化を達成するのは2027年以降になるとの見方もあり、同社の将来的な収益性についての懸念が浮上しています。
Zスケーラー株は買い時か？ それとも様子見か？
Zスケーラーは引き続きサイバーセキュリティ分野でのリーダー的存在であり、成長を続けています。しかし、売上成長の鈍化と今後の収益予想の下方修正が、株価下落を引き起こしました。特に、非GAAPベースでの収益がアナリスト予想を下回る可能性が示唆されたことで、投資家の心理が冷え込んだと見られます。
これにより、短期的な株価下落は妥当なものと言えるでしょう。しかし、長期的には同社の成長力と市場シェアを考慮すると、今後の業績次第で再評価の余地があるかもしれません。
まとめ
Zスケーラーは、売上と非GAAPベースでの利益において好調な第4四半期を報告しましたが、GAAPベースではまだ赤字です。さらに、2025年度に向けたガイダンスが市場予想を下回ったことで、投資家の不安が広がり、株価は急落しました。
短期的には慎重な姿勢が求められるかもしれませんが、長期的に見れば、Zスケーラーのサイバーセキュリティ分野での成長余地は大きいと見られています。投資家は今後の業績とガイダンスを注意深く見守る必要があります。