スーパーマイクロ株に警告サイン?今注目すべき4つのリスクと投資戦略

スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)の株式は、ここ最近で大きな注目を集めていますが、その動向に対して投資家は一層慎重になるべきだという声が上がっています。特に、バークレイズのアナリストであるジョージ・ワン氏は、投資家がスーパーマイクロに対して注意すべき4つの主要な懸念点を指摘しています。この記事では、その懸念点を詳しく解説し、投資家にとってのリスクと展望を考察します。

1. 空売り報告による財務管理の不安

ワン氏の最初の懸念は、スーパーマイクロの財務管理に関する問題です。空売り専門の投資会社ヒンデンブルグ・リサーチが、スーパーマイクロの会計処理に問題があると指摘し、これが投資家の不安を煽っています。これを受けて、スーパーマイクロは財務管理の再検討を行うため、年次報告書の提出を遅らせると発表しました。大幅な財務再計算は想定されていないものの、投資家への透明性の欠如が引き続き問題視されています。

スーパーマイクロは過去にも「ブラックボックス企業」と評されたことがあり、透明性の改善が必要だとワン氏は述べています。この財務管理の懸念は、企業の信頼性に影響を与えるため、投資家にとって大きなリスクとなります。

2. 粗利益率の低迷

次に、ワン氏はスーパーマイクロの粗利益率の低迷に注目しています。同社は、AIサーバー事業において利益率が低いことが問題となっており、この傾向が今後も続く可能性が高いと指摘されています。スーパーマイクロは2025年度の粗利益率を14%と予想していますが、投資家の間では依然として懐疑的な見方が広がっています。

特に、スーパーマイクロが市場シェアを失い始めている状況では、価格競争により利益率にさらなる圧力がかかる可能性があります。これが中長期的な収益見通しに大きな不安をもたらしています。

3. 市場シェアの喪失と顧客離れ

さらに、スーパーマイクロは市場シェアの喪失が顕著になっています。ワン氏の業界調査によると、同社は主力であるAIサーバー技術において、デル・テクノロジーズ(DELL)などの競合他社に対してシェアを失っています。特に、エヌビディアのHopperベースのGPU供給が改善されるにつれ、デルへのGPU割り当てが増加していることが原因です。

この状況に対処するために、スーパーマイクロは価格を下げざるを得ない状況に追い込まれており、これが短期的にも中期的にも利益率に悪影響を与えるとワン氏は述べています。また、非公開企業のCoreweaveやイーロン・マスク氏と提携する企業も同社のシェアを脅かす存在となっています。

4. 新製品GB200の影響

最後に、エヌビディアの新製品であるGB200の出荷がスーパーマイクロの将来にどのような影響を与えるかが注目されています。ワン氏の調査によれば、GB200の出荷先の大半はアジアのODM(オリジナルデザインメーカー)が占めており、スーパーマイクロはこの分野でティア1ハイパースケーラーに遅れを取っていると指摘されています。これにより、さらなる市場シェアの低下が懸念されます。

スーパーマイクロの株価見通しと投資判断

これらの要因を総合的に判断し、ワン氏はスーパーマイクロの目標株価を693ドルから438ドルに引き下げ、投資判断を「オーバーウェイト」から「イコールウェイト」に格下げしました。9月4日の朝の取引では株価が3.2%下落しており、今後も慎重な姿勢が必要とされています。

スーパーマイクロは、AIサーバーやGPU関連技術で重要な役割を果たす企業ですが、透明性の問題や市場シェアの喪失といった課題に直面しているため、投資家は今後の動向を慎重に見守る必要があります。


まとめ

スーパーマイクロの株式は、短期間で大きな変動を見せています。ヒンデンブルグ・リサーチによる空売り報告や、粗利益率の低迷、市場シェアの喪失などが重なり、投資家にとっては不安材料となっています。さらに、エヌビディアの新製品GB200の影響も懸念材料です。これらの要素を考慮し、投資家は今後の動向を慎重に見極め、適切な投資判断を下すことが重要です。

*過去記事はこちら  スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI

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