生成AIチャットボットであるChatGPTが、従来の検索エンジン市場において急速に存在感を高めています。この動向により、検索エンジン大手のGoogleの市場シェアが減少しているのではないかとの懸念が広がっています。特に、この2年間での市場の変化は、技術業界全体で注目されています。しかし、最終的にアルファベット（GOOGL）の株価にはどのような影響があるのでしょうか？
エバコアの調査結果：ChatGPTのシェア急増
エバコアが米国で1,300人以上を対象に行った調査によれば、ChatGPTを主な検索エンジンとして利用しているユーザーの割合が急激に増加しています。前回の6月の調査ではわずか1%だったのに対し、今回の調査では8%にまで増加しました。
このシェアの増加は、Googleの市場シェアの低下と連動しています。調査によると、Googleを主な検索エンジンとして使用しているユーザーの割合は74%に減少し、6月の80%から大きな落ち込みを見せています。これは、Googleの市場シェアがChatGPTに奪われていることを示唆しており、同社にとっては重大な課題です。
Googleへの影響は限定的？
エバコアのアナリストであるマーク・マハニー氏によれば、この結果はGoogleにとって一概に悪いニュースとは言えません。特に、広告主にとって最も重要な2つの分野であるショッピングと旅行関連の検索では、ChatGPTの影響は限定的です。これにより、Googleの売上に対する大きなリスクは今のところ見られません。
さらに、生成AIの利用者は従来の検索エンジンも引き続き利用する傾向が強く、Googleの検索利用が大幅に減少しているわけではないことが、調査結果からも明らかです。ChatGPTを含む生成AIは検索全体の利用を増加させている可能性があり、Googleのシェア減少は一時的なものである可能性があります。
Googleの生成AI戦略が鍵
Googleは自身の検索エンジンにおいても生成AI技術を積極的に導入しています。これにより、ユーザーにとってより優れた検索体験を提供できるとエバコアは評価しています。Googleの検索エンジンは今後も進化を続け、同社の検索広告売上の安定した成長が見込まれます。
アルファベット株の見通し
マーク・マハニー氏は、アルファベット株について「アウトパフォーム」の格付けを維持し、目標株価を225ドルに据え置いています。アルファベット株は、2024年9月4日現在で157ドルあまりの価格を記録しており、今後の市場動向次第ではさらに成長が期待されています。
まとめ
ChatGPTの急成長は無視できないものの、現時点ではGoogleの市場シェアに大きな打撃を与えるには至っていないことがエバコアの調査で明らかになりました。Googleの生成AI技術の進化により、今後も同社の検索エンジンは強固な地位を維持し、広告売上も安定して推移することが期待されます。
投資家にとって、Googleの検索市場における競争激化は注目すべきポイントではありますが、アルファベット株の成長見通しは依然として良好です。今後も市場動向に注視しつつ、長期的な投資戦略を検討することが重要です。
＊過去記事 アルファベット GOOGL