9月3日、エヌビディア(NVDA)の株価が大きく下落し、1日で約2790億ドルの時価総額が失われました。この急落は、ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、史上最大規模の1日での時価総額損失であり、半導体業界全体にも大きな影響を与えています。
*「エヌビディア株価急落!史上最大の時価総額減少と半導体セクターの波紋」
ウォール街が注視するエヌビディアの懸念材料とは?
エヌビディアの最新の決算報告に対して、ウォール街のアナリストたちは懸念を抱いています。その主な理由は「粗利益率の低下予測」です。ローゼンブラット証券のアナリスト、ケビン・キャシディ氏とハンス・モーゼスマン氏は、同社の製品サイクルの速さが粗利益率の低下に影響を与えていると指摘しています。
しかしながら、これは「贅沢な問題」であり、エヌビディアに対する強気の見方を損なうものではありません。キャシディ氏とモーゼスマン氏は、既存のHopperチップラインが引き続き強力であり、Blackwellチップラインが急成長する可能性を指摘しています。彼らはエヌビディア株を「買い」と評価し、目標株価を200ドルとしています。
エヌビディアの粗利益率予測と今後の展望
エヌビディアの2024年1月期の粗利益率は72~73%になると予想されています。これは、直近の70%台半ばを下回る数値ですが、それでも業界基準では依然として非常に高い水準です。この粗利益率の低下が一時的なものであるとすれば、エヌビディアの長期的な成長見通しには大きな問題はないと考えられます。
特に注目すべきは、エヌビディアの自社株買い計画です。2024年の計画は市場最大規模の一つであり、投資家にとって好材料と見なされています。
アナリストの見解:エヌビディア株は依然として魅力的か?
パイパー・サンドラーのハッシュ・クマール氏は、エヌビディアの最新の決算報告が市場の期待に応えなかったことを認めつつも、依然として同社株に対して楽観的な見方を示しています。クマール氏は、Blackwellチップラインの売上が年末にかけて増加する見通しであること、またHopperラインに対する強い需要が続いている点を強調しました。
一方で、キャンター・フィッツジェラルドのC.J.ミューズ氏も、Blackwellチップの出荷遅延についての懸念はあるものの、それがエヌビディアの将来的な成長に大きく影響しないと述べています。遅延があったとしても、1~2ヶ月の範囲であり、同社の業績全体に対する影響は軽微との見解です。
エヌビディアはAI革命の中心に立つ企業
ウェドブッシュ証券のダニエル・アイブズ氏は、3日の急落後もエヌビディア株を強く擁護しています。アイブズ氏は、エヌビディアのグラフィックプロセッシングユニット(GPU)がAI革命を牽引していることに触れ、同社のチップが現在のIT業界において「新たな石油や金」となっていると指摘しました。
エヌビディアは、AI分野において他の追随を許さない存在であり、その市場での独占的な地位は今後も強固なものになると予想されています。
まとめ:エヌビディア株の下落は買いのチャンスか?
エヌビディアの急激な株価下落は、短期的には驚きですが、長期的な投資家にとっては依然として魅力的な銘柄です。同社の製品サイクルや市場での地位、AI革命におけるリーダーシップは揺るぎなく、粗利益率の一時的な低下は、今後の成長を阻む要因にはならないとされています。
アナリストたちは、エヌビディア株を「買い」と評価し、目標株価を175ドル〜200ドルとしています。今後、Blackwellチップラインの成長やHopperラインへの強い需要が続けば、エヌビディアの株価は再び上昇に転じる可能性が高いと予想されています。
エヌビディアの成長ポテンシャルを見逃さないために、今が投資の好機かもしれません。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA