テスラ(TSLA)が大きな注目を集めています。ブローカーのウィリアム・ブレアが発表したレポートによると、テスラは「エネルギーのアップル」になる可能性があるとされています。この見解は、テスラのエネルギー貯蔵事業が過小評価されているという分析に基づいています。
テスラ株の評価が上昇する理由とは?
ウィリアム・ブレアのアナリスト、ジェド・ドースハイマー氏は、テスラのエネルギー貯蔵事業が今後大きな成長を遂げると予測しています。この事業は、ソーラー屋根の製造や家庭用・公共施設向けのバッテリーパックの製造を含んでおり、再生可能エネルギーの需要拡大やAIデータセンターの電力需要増加が追い風となっています。
テスラのエネルギー部門は、第2四半期の売上高の約12%を占め、前年同期比で100%の成長を遂げました。これは、同じ期間に自動車販売が前年比7%減少したことを考えると、非常に注目に値します。
テスラのエネルギーエコシステムが「アップル化」する可能性
ドースハイマー氏は、エネルギー貯蔵事業が今後さらに注目を集めると予測しています。特に、テスラが取り組んでいるロボットタクシーやロボット工学とのシナジー効果によって、エネルギーエコシステムの「アップル化」が進む可能性があると指摘しています。つまり、テスラのハードウェアとソフトウェアが家庭や企業、公共施設においてシームレスに連携することで、強固なエコシステムを構築するというビジョンです。
テスラ株の現状と今後の展望
この発表を受けて、8月29日の米国市場でテスラの株価は3.6%上昇し、1株あたり213.13ドルとなりました。しかし、テスラ株は今年に入ってから15%あまり下落しており、成長鈍化が投資家の心理に影を落としています。特に、2024年上半期の米国でのEV販売台数は前年同期比でわずか7%の増加にとどまり、欧州では7月のEV販売台数が前年同月比で約6%減少しています。
テスラ株は今が買い時?
ファクトセットによると、テスラ株をカバーするアナリストの40%が「買い」と評価しており、平均目標株価は216ドルとなっています。S&P 500種構成銘柄の平均的な「買い」評価比率が約55%であることを考慮すると、テスラ株はまだ市場での評価が低い可能性があります。
テスラのエネルギー貯蔵事業の成長ポテンシャルを考えると、現在の株価は魅力的なエントリーポイントとなるかもしれません。今後の動向に注目しつつ、投資判断を行う必要があります。
*過去記事はこちら テスラ TSLA