バークシャー・ハサウェイ(BRK-B)が8月28日、ウォーレン・バフェット氏の94歳の誕生日を前に、1兆ドルの時価総額を達成するという歴史的な瞬間を迎えました。同社はバフェット氏が1965年に時価総額2500万ドルで掌握、約60年の歳月をかけて成長させて大台を突破しました。バークシャーの株価は、A株が696,502ドル、B株が464.59ドルで28日の取引を終えました。この成果はバフェット氏の卓越したリーダーシップと投資手腕の賜物と言えます。
1兆ドル企業としてのバークシャー・ハサウェイ
バークシャー・ハサウェイは、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、アマゾンと並ぶ、わずか7社しかない1兆ドル企業の一つです。しかし、これらテクノロジー企業とは異なり、バークシャーは唯一の非テクノロジー企業です。バフェット氏が率いる同社は、約6010億ドルの株主資本と、年間約450億ドルの税引き後営業利益を誇ります。
バフェット氏の投資哲学とバークシャーの成長
バフェット氏の投資哲学は、内部留保と賢明な事業および投資決定に基づいており、負債を避け、株式発行を最小限に抑えるという独自の戦略を貫いてきました。この手法は、バークシャーが株式数を30%ほどしか増加させていないにもかかわらず、その市場価値が約2500万ドルから1兆ドルに成長したことに表れています。
自社株買いと長期的な視点
近年、バークシャー・ハサウェイは積極的に自社株買いを行っています。特に2021年には270億ドルもの自社株買いを実施しましたが、昨年には90億ドル、2024年上半期には29億ドルと、買い戻し額は減少しています。バフェット氏は現在の株価水準では割安とは考えていないようですが、それでも株価上昇は続いています。
バフェット氏のライフスタイルと慈善活動
バフェット氏は、その莫大な富にもかかわらず、質素なライフスタイルを送っています。同氏は1950年代後半に購入したオマハの家に住み続け、プライベートジェットを除いては贅沢品をほとんど持っていません。また、全ての自社株を慈善活動に寄付する計画を立てており、株価の上昇はその目的を後押ししています。
バフェット氏の未来展望
バフェット氏は引退する気配は見せていませんが、94歳近くであり、あと数年で経営の第一線から退く可能性もあります。
バークシャー・ハサウェイは、帳簿価格の1.7倍近くで取引されており、これは過去5年間のレンジで最高値となっています。また、今年の予想利益に対して約22倍の評価を受けています。
最近の株価上昇は、バフェット氏が築き上げたものへの評価であり、バフェット氏亡き後の時代におけるその持続力、収益力に対する楽観的な見方を反映したものと言えます。