メタ・プラットフォームズの現状と展望:AIへの注力とメタバースの苦境

メタ・プラットフォームズ(META)は、Facebookの親会社として知られる企業であり、2023年は人工知能(AI)への取り組みが市場から称賛されるなど、素晴らしい成果を挙げています。しかし、同社の株価がさらに上昇するためには、メタバース部門の損失削減が重要な課題として浮上しています。

メタバース部門の巨額損失

メタのリアリティ・ラボ(Reality Labs)は、VR(バーチャルリアリティ)やメタバース技術の開発に取り組む部門ですが、2023年には約160億ドルの損失を計上しました。これは、同社の財務状況に大きな影響を及ぼす数字です。この巨額の損失を削減するため、メタはコスト削減策を講じ始めています。

コスト削減の動きとその影響

テクノロジーニュースサイト「The Information」によると、メタはプレミアム複合現実ヘッドセットの計画を中止したと報じられています。これは、リアリティ・ラボのコスト削減の一環と考えられており、メタが進める再編計画の一部である可能性があります。

BofAリサーチのアナリスト、ジャスティン・ポスト氏は、このコスト削減策が成功すれば、メタの株価がさらに上昇する可能性があると述べています。同氏はメタ株を「買い」と評価し、目標株価を563ドルとしています。この動きがメタの将来にどのような影響を与えるか注目が集まっています。

AIへの取り組みと市場の反応

メタの株価は、2022年の最安値から4倍以上に上昇しています。これは、同社がデジタル広告の低迷に直面する一方で、AIへの積極的な投資が市場から高く評価されているためです。今年に入ってからの株価上昇率は40%以上に達していますが、市場は依然としてメタのVRやAR(拡張現実)ハードウェアへの取り組みに対して懐疑的な見方をしています。

昨年、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が新たなヘッドセット「Quest 3」を発表した際も、株価はAIソフトウェアに言及するまで下落しました。これは、市場がメタのハードウェア事業よりも、AIやソフトウェアへの投資に対して期待を寄せていることを示しています。

アップルとの競争と今後の展望

一部の報道では、メタがアップル(AAPL)との競争を避けるために、高級ヘッドセット市場から撤退する可能性が示唆されています。アップルは今年初めに「Vision Pro」を発表し、プレミアム市場をターゲットにしています。アップルも2025年末までにより低価格のヘッドセットを発売する計画があり、ヘッドセット市場は今後も競争が続くと予想されます。

メタがリアリティ・ラボのコストを削減し、AIやデジタル広告に注力することで、株価のさらなる上昇が期待されます。今後の動向に注目が集まる中、メタがどのような戦略をとるかが、投資家にとって重要な判断材料となります。

まとめ

メタ・プラットフォームズは、AIへの取り組みで高評価を受けていますが、リアリティ・ラボの損失削減が課題です。株価のさらなる上昇には、コスト削減と戦略的な投資が鍵となるでしょう。今後もメタの動向に注視することが重要です。

*過去記事 メタ・プラットフォームズ

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