AT&Tから学ぶグーグル分割:株価への影響を予測する

2024年8月、米国司法省がアルファベット(Googleの親会社)に対する独占禁止法違反の訴訟に関連して、Googleの分割を検討しているという発表がありました。

市場の反応と株価の動向

発表直後の8月14日、アルファベット(GOOGL)の株価は2.3%下落し、同日のS&P 500種指数が0.3%上昇したのとは対照的な動きを見せました。翌日の8月15日には0.6%上昇したものの、同日S&P 500種指数が1.6%上昇していたため、相対的なパフォーマンスは振るいませんでした。

このような株価の動きは、投資家がGoogleの分割に対して慎重な姿勢を示していることを示唆しています。しかし、過去の企業分割の事例を考慮すると、分割が必ずしもマイナスになる訳でないこともわかります。

AT&Tの分割とその影響:教訓と比較

米国政府による企業分割の最も近い類似例として、1980年代初頭のAT&Tの分割が挙げられます。この分割により誕生したベビーベル7社は、長年にわたり米国株式市場を上回るパフォーマンスを記録しました。当時、AT&Tは米国経済の中心的な役割を果たしており、その分割は大きな影響を及ぼしました。

AT&Tの分割後の株価パフォーマンスは、同時期に分割を免れたIBMと比較することで、その明暗が明らかになります。司法省がIBMの分割を試みたものの失敗に終わりましたが、その後のIBMは市場全体を下回るパフォーマンスに陥りました。一方、AT&Tとそのスピンオフ企業は、市場全体を上回る成果を挙げたのです。

企業分割の可能性と今後の見通し

もちろん、AT&Tの分割が成功したことが、Googleの分割が同様の成功を収めることを保証するわけではありません。しかし、AT&Tのケースは、企業分割が必ずしもネガティブな結果をもたらすわけではないことを示しています。アルファベットが今後どのような運命をたどるのか、そしてそれが株主にとってどのような結果をもたらすのか、注目すべきポイントです。

まとめ

Googleの分割に関する現在の議論は、投資家にとって慎重な検討が必要な課題です。AT&TとIBMの歴史的な事例から学ぶべき教訓は多くありますが、最終的には、現在の市場環境やGoogleの特異性を考慮に入れた上での判断が求められます。今後の動向に注視しつつ、投資戦略を再考することが重要です。

*過去記事 アルファベット GOOGL

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