グーグル分割の可能性:投資家が知るべきリスクと戦略

米国政府との独占禁止法訴訟に敗訴したアルファベット(GOOGL)に対し、司法省が同社の分割を要求するかどうかがウォール街で大きな議論を呼んでいます。この動きが現実になる可能性はどの程度であり、それが株主や投資家に与える影響とは何でしょうか?ここでは、ウォール街のアナリストたちの見解を基に、Googleの分割が投資家に与えるリスクについて掘り下げていきます。

グーグル分割の可能性とその背景

今月初め、アルファベットは米国政府との独占禁止法訴訟に敗訴しました。判事は、Googleが検索および一般的なテキスト広告市場で独占的な地位を保持していると判断しました。これを受けて、同社は控訴する意向を示していますが、政府がGoogleの分割を要求する可能性が浮上しています。

ウォール街のアナリストたちの間では、この動きが実現するかどうかについて意見が分かれています。ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は、「検索エンジンの分割は難しい」とし、Googleはこれらの判決に対して長期間にわたって法廷で争うだろうと述べています。一方で、米国みずほ証券のアナリスト、ジェームズ・リー氏は「分割シナリオを否定することはできない」と述べ、Google検索とYouTubeの分割が起こり得ると指摘しています。

分割が株価に与える影響

仮にGoogleが分割された場合、同社の評価にどのような影響が及ぶのでしょうか?ジェームズ・リー氏は、Google検索とYouTubeが独立した企業として取引される場合、それぞれの企業価値がEbitda(利払前・税引前・償却前利益)の7倍程度で評価されると予測しています。これは、規制リスクを抱える中国のインターネット企業と同程度の倍率です。

現在のアルファベットの株価収益率はEbitdaの約17倍であり、この基準で計算すると、分割後のアルファベットの価値は1株あたり約115ドルになる可能性があります。これは、8月15日の終値である161.30ドルから約30%の下落を意味します。

投資家が注意すべきポイント

バークレイズのアナリスト、ロス・サンドラー氏も、Googleの分割がもたらすリスクについて警告しています。サンドラー氏は、政府の介入によって「アルファベットの総利益の2%から41%が失われる可能性がある」と述べています。特に、ChromeやAndroid、AdWordsなどの主要サービスの売却が強いられる場合、その影響は無視できません。

ウォール街の一部では、Googleの分割は起こりにくいとの見方が大勢を占めていますが、完全に否定できるシナリオではありません。投資家は常に最悪の事態を想定し、リスク管理を徹底することが求められます。

まとめ

アルファベットの分割が現実となる可能性は依然として不透明ですが、投資家にとってそのリスクを無視することはできません。分割による株価下落のリスクや、事業売却による利益減少の可能性を考慮しつつ、今後の動向に注視する必要があります。特に、長期投資を見据えたポートフォリオの再評価や、リスクヘッジの戦略を練ることが重要です。

*過去記事 アルファベット GOOGL

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG