米国のEコマース市場に新たな動きが見られます。動画共有プラットフォームのTikTokが、アマゾン(AMZN)と提携し、ユーザーがアプリを離れることなく商品を購入できるようになりました。これはTikTokとそのオーナーであるByteDance社が、米国市場での存在感を強化するための大きな一歩です。
アマゾンとTikTokの提携の背景
TikTokが米国市場で独自のEコマースプラットフォームを立ち上げたのは昨年のことです。ブルームバーグによると、TikTokは今年、米国で175億ドルの売上を目指しています。アマゾンとの提携により、TikTokのユーザーはリアルタイムの価格情報、アマゾンプライムの利用資格、配送の見積もり、商品の詳細をアプリ内で確認できるようになります。
「シームレスで楽しいショッピング体験を提供するためにアマゾンと協力できることをうれしく思います」とTikTokは公式声明を発表しました。この提携は、TikTokがEコマース収入を増やす一方で、アマゾンの販売者には若年層へのアクセスを提供するという、双方にとってメリットのあるものです。
アマゾンの株価への影響
アマゾンの株価は、最近の決算報告後の5営業日で9.9%下落し、昨年2月以来の最悪の反応を示しました。8月9日の午前の取引では1.1%上昇しましたが、それでも5週連続のマイナスを記録しています。
アマゾンがTikTokと提携することを決定したことは、Eコマース市場における戦略的な一手と言えます。アマゾンは他にも、メタ・プラットフォームズ(META)、スナップチャット(SNAP)、ピンタレスト(PINST)とも同様の取り決めを行っています。これにより、アマゾンはEコマースの成長のための新たな成長の鍵を探していることがわかります。
今後の展望
今回の提携は、TikTokが米国市場で主要なEコマースプレーヤーになるための大きなステップです。TikTokの若年層ユーザー層をターゲットにしたアマゾンの戦略は、今後のEコマース市場に大きな影響を与えることになる可能性があります。
まとめ
TikTokとアマゾンの提携は、米国のEコマース市場に新たな風を吹き込みました。両者の協力により、ユーザーにとってシームレスで楽しいショッピング体験が提供され、販売者には新たな顧客層へのアクセスが可能になります。今後もこの提携がどのような成果を生むのか、注目が集まります。
*過去記事はこちら アマゾン AMZN