インテル株価が底値に近づく:今が買い時か?リスクとリターンのバランス

  • 2024年8月10日
  • 2024年8月10日
  • BS余話

インテル(INTC)の株価は非常に低迷していますが、今が投資のチャンスかもしれません。8月9日にインテル株は一時4.7%下落し、19.53ドルとなりました。これは、バロンズ誌が算出した1株あたり19.50ドルという有形簿価とほぼ同じ水準で取引されていることを意味します。テクノロジー企業であっても、大企業が有形簿価で取引されるのは非常に珍しいことです。

同業他社との比較

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やエヌビディア(NVDA)と比較すると、インテルの株価は非常に低い水準にあります。AMDやエヌビディアの株価はそれぞれ有形簿価の15倍以上、50倍以上で取引されています。これには、これらの企業がインテルよりもはるかに収益性が高いことが影響しています。

インテルの有形簿価の重要性

インテルの株価が底値に近づいている可能性があります。直近の安値である19ドル弱に達しており、有形簿価が株価の底値となる可能性があります。有形簿価とは、のれん代やその他の無形資産を除いた保守的な簿価のことです。バロンズ誌は、インテルの有形簿価を時価総額と同じ834億ドル程度と計算しています。

インテルの財務状況と評価

インテルの資産の大部分は工場や有形固定資産に分類される半導体工場であり、その価値は1000億ドル以上です。しかし、純負債(短期および長期の負債から現金および等価物を差し引いたもの)は300億ドル以上あり、同社の信用格付けはムーディーズによってシングルA3からBaa1に格下げされたばかりです。

株価の大幅な下落と将来の見通し

インテルの株価は今年に入り50%以上下落しました。その大部分は最近の下落によるものです。8月1日の第2四半期決算報告では、調整後の利益が予想を下回り、第3四半期についても弱いガイダンスが提示されました。さらに、新工場建設に多額の費用を投じているため、配当も廃止されました。

しかし、バロンズ誌のTech TraderのコラムでTae Kim氏は、インテルが2025年に新しいプロセッサー・ライン「Panther Lake」を発表し、ライバルのAMDのプロセッサーとの競争力を高める可能性があることから、インテルには希望があると述べています。

インテルの戦略的価値と将来の利益予想

インテルは米国にとって最も重要な戦略的資産の一つであり、アジアでのチップ製造への依存度を下げるためには、米国はインテルを必要とします。厳しい見出しにもかかわらず、インテルは今年1株当たり25セント、2025年には1株当たり約1ドル、2026年には2ドル近い利益を上げると予想されています。

投資家にとってのチャンス

インテルに対するセンチメントはまだ悪いですが、逆張り投資家にとってはチェックすべき銘柄です。現在のインテル株は、投資家にとって有利なリスク・リターンを提供しています。インテルの時価総額870億ドルは、ライバルのAMDやブロードコム(AVGO)、エヌビディアに比べて非常に低い水準にあります。

まとめ

インテルの株価が底値に近づいている今、投資家にとっては絶好のチャンスかもしれません。パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)も、下落したインテル株を買ったばかりです。インテルの将来に対する期待とともに、現在の低価格での投資は有望な選択肢のひとつです。

このように、インテル株は将来的に価値が上がる可能性があり、今が投資の好機となるかもしれません。ただ、状況が厳しいこともまた事実であり、最新の情報をチェックしながら、慎重に投資判断を行うことが求められます。

*過去記事「インテル株価大暴落:15,000人の人員削減、配当停止、期待はずれの決算と低調なガイダンス

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