エヌビディア株価急落:次世代GPU「Blackwell」の生産遅延と市場全般の暴落が原因

エヌビディア(NVIDIA)の株価は8月5日に急落し、最終的に6.4%安の1株100.45ドルで取引を終えました。この大幅な下落は、同社の次世代人工知能(AI)プロセッサー「Blackwell」の生産遅延報道や、米国経済の減速懸念に端を発した市場全般の暴落が主な原因とされています。

エヌビディアの株価下落の背景

エヌビディアの株価は、一時14%も下落しました。これは、テクノロジーに特化したニュースメディア「The Information」が報じた、次世代GPU「Blackwell」の量産出荷が約3ヶ月遅れるとの報道が大きな影響を与えたと見られています。同社は今年下半期の生産増加を予定しているものの、この報道に対するコメントは避けています。

米国経済の減速懸念と市場の影響

エヌビディアの株価下落は、米国経済の減速懸念にも関連しています。7月の雇用者数とISM製造業景況指数(米国の製造業活動の重要な指標)の発表後、ウォール街はその影響を振り払うことができず、全般的な市場の暴落がエヌビディアにも波及しました。

Blackwellの生産遅延報道の影響

「Blackwell」の生産遅延が報じられたことは一部の投資家に懸念を与えましたが、専門家は過剰反応しないよう注意を促しています。エヌビディアの最大の顧客であるアルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)は、今後AIインフラに積極的に投資する計画を示しており、エヌビディアのGPUに対する需要は堅調に推移すると予測されています。

アナリストの見解と将来展望

バーンスタインのアナリスト、マーク・リー氏は、エヌビディアと台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)がBlackwellのマイナーな設計修正に取り組んでおり、遅延は2~3ヶ月にとどまるだろうと述べています。また、シティのアナリスト、アティフ・マリク氏は、旺盛なAI需要を背景に、H100/H200チップの需要が増加し、Blackwellの売上減少を部分的に相殺する助けになるだろうと指摘しています。

他のチップメーカーの動向

他のチップメーカーの株価は全般的な売りの中でまちまちでした。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は1.75%上昇しましたが、これはインテルの決算が期待外れだったことが要因と言われています。ブロードコム(AVGO)は1.2%下落し、インテル(INTC)は6.4%下落しました。

まとめ

エヌビディアの株価急落は、市場全般の暴落と次世代GPU「Blackwell」の生産遅延報道が主な原因です。しかし、AIインフラへの投資が引き続き進む中で、エヌビディアの長期的な成長は依然として堅調であると考えられます。投資家は短期的な動揺に過剰反応せず、エヌビディアの長期的なビジョンに注目することが重要です。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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