8月5日の月曜日、米国株市場は大きな波乱に見舞われました。アップル(AAPL)の株価が4.82%と大幅に下落し、209.27ドルで引けました。他の主要なテクノロジー企業も同様に下落し、市場全体に広がる不安が浮き彫りになりました。
アップル株の急落とその要因
アップルは、予想を下回る米雇用統計や米国経済への懸念から、前週の堅調な動きから一転して大きな下落を見せました。特に、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK-A)がアップル株を50%近く売却したニュースは市場に大きな衝撃を与えました。この売却は、アップルのデバイスにAIを統合する計画に対する市場の熱意を冷やす結果となりました。
マグニフィセント・セブンの衝撃
アップルだけでなく、エヌビディア(NVDA)も6.4%の下落を記録し、100.45ドルで取引を終えました。これにより、マグニフィセント・セブンの時価総額は5日時点で6,530億ドルも減少しました。他の大手ハイテク株も軒並み下落し、ナスダック総合株価指数は3.43%、S&P50は3.00%と、それぞれ約2年ぶりの大幅な下落を記録しました。
アルファベットに対する判決とその影響
さらに、連邦判事がアルファベット(GOOGL)を「独占企業」とする判決を下したことで、アップル株に追加の売り圧力がかかりました。この判決は、アップルがグーグルから支払いを受けてiPhoneのデフォルト検索エンジンにしていることに関連しており、同様の反トラスト法違反でアップルも訴えられている背景があります。
他の主要ハイテク株の動向
アルファベット(-4.5%)、メタ(-2.5%)、アマゾン(-4.1%)、マイクロソフト(-3.3%)も軒並み下落しました。これらの動きは、AI技術への投資に対する市場のセンチメントが変化していることを示唆しています。
AI投資への懐疑的な見方
フィナンシャル・タイムズによると、ヘッジファンドのエリオット・マネジメントは、大型テクノロジー株は「バブルの地」にあり、AIは「過大評価されている」と指摘しています。このような懐疑的な見方は、AI関連株に対する市場の熱意に冷水を浴びせる結果となっています。
今後の展望
ハイテク企業がAIへの投資で具体的なリターンを得られるまでには時間がかかるとされています。UBSグローバル・ウェルスのミン・ラン・タン氏は、「企業がAIへの投資計画から手を引いている兆候はない」と述べており、AI技術の将来性を考えると、今後も注目が必要です。
8月28日に予定されているエヌビディアの決算報告は、AI投資に関する次の大きな変曲点となる可能性があります。市場のセンチメントがどのように変化するのか、今後の展開に注目です。
まとめ
米国株市場は、大手テクノロジー企業の株価が大幅に下落する波乱の一日となりました。特にアップルの株価下落は、ウォーレン・バフェット氏の売却やグーグルに対する判決など複数の要因が絡み合っています。AI技術への投資に対する市場のセンチメントも変化しており、今後の動向を注視する必要があります。