エヌビディア(NVDA)の株価は8月2日の米国市場で1.78%下落し終値は107.27ドルでした。今週5日間の下落率は5.12%。過去1ヶ月では14.75%下落しています。一方、他の主要なチップメーカーの株価はまちまちの動きを見せています。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は前日と変わらず、ブロードコム(AVGO)は2.18%安となりました。
エヌビディア株価下落の主な要因
- 広範な経済不安
- 最近の製造業活動の鈍化は、景気後退懸念を強めています。これにより、市場全体が暴落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は2日に2.43%下落しました。
- 連邦反トラスト法調査
- 米国当局がAMDを含むエヌビディアの競合他社数社に接触し、独占禁止法違反の可能性を調査していると報じられました。この報道は、テクノロジーに特化したニュースメディア『The Information』が関係者の話を引用して報じました。同様の報道は6月のニューヨーク・タイムズ紙にも掲載されています。
- アマゾンのカスタムチップ需要増
- アマゾン(AMZN)のアンドリュー・ジャシーCEOは、同社の自社製AIチップに対する需要が大きいと発表しました。これにより、エヌビディアの市場シェアに影響を与える可能性があります。
エヌビディアの対応と今後の展望
エヌビディアの広報担当者は声明で、「エヌビディアは、ベンチマーク結果や顧客にとっての価値に反映されているように、実力で勝っている。我々は今後も、あらゆる産業と市場において、意欲的なイノベーターを支援していく。規制当局が必要とする情報を喜んで提供する」と述べています。
チップメーカーは一般的に、競争を抑制するのではなく、優れた製品を提供することで成功を築いてきました。エヌビディアも例外ではなく、今後もその強みを活かして市場での地位を維持することが予想されています。
エヌビディアの主な競合他社には、AMDやブロードコムだけでなく、マイクロソフト(MSFT)やアマゾンのような同社の顧客まで含まれます。しかし、そんな競合であっても現時点ではエヌビディアの圧倒的な市場シェアを追い越すことはできていません。
まとめ
エヌビディアの株価下落は、広範な経済不安や連邦反トラスト法調査、そしてアマゾンの自社製AIチップの需要増など、複数の要因が重なっています。しかし、エヌビディアは引き続き強力な製品ラインナップと市場での実力で、今後の成長を目指していくはずです。
このような市場動向に注目しつつ、投資家はエヌビディアの将来性を慎重に見極めることが重要です。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA