アーム株価15.7%急落!今が買い時?ウォール街の見解

  • 2024年8月2日
  • 2024年8月2日
  • BS余話

アーム・ホールディングス(ARM)の株価は、最新の四半期決算報告後、8月1日に急落しました。しかし、ウォール街のアナリストたちは、これを買いのチャンスと捉えています。

株価急落の背景

アームの米国預託証券(ADR)は、1日の米国市場で大きく下落し、終値は15.7%安の121.51ドルでした。同社は、第1四半期にアナリスト予想を上回る39%の増収を報告しましたが、一部の売上が期待に届かなかったため、市場は厳しい反応を示しました。具体的には、アナリストのコンセンサス予想が4億9200万ドルであったのに対し、アームのロイヤリティ収入は4億6700万ドルでした。

アームによると、モノのインターネット(IoT)とネットワーク機器部門の低迷が影響しました。同社の設計は携帯電話市場においてユビキタスであり、現在はパソコンやハイエンド・サーバー向けプロセッサの拡大に力を入れています。

株価下落の影響と市場の反応

アームの株価は今年に入り、AI対応のスマートフォンやパソコンへの採用期待から31日の終値までに92%の上昇を見せました。しかし、今回の決算報告を受けての失望は、株価に大きな影響を与えました。

BofAグローバルリサーチのアナリスト、ビベック・アリヤ氏は、「循環的リスクは今四半期で一服する可能性があるため、目先の株価下落は特に魅力的な買い場と見ている」とコメント。また、ライセンス収入の急増はARM技術の採用と最終的なロイヤリティ収入への転換を示す強力な先行指標であると述べました。アリヤ氏は、アームの格付けを「買い」、目標株価を180ドルに据え置きました。

アームの将来展望

日本のソフトバンク・グループが昨年米国で上場したアームの株式の約90%を所有しているため、アーム株の動きは取引可能な株式数が比較的少ないこともあり、不安定になる可能性があります。

J.P.モルガンのアナリスト、ハーラン・サー氏は、アームは今後数年間、売上の複合年間成長率(CAGR)が20%以上になると予想しています。同氏は、「IPコンテンツの増加(ロイヤリティ率の上昇)、独自/レガシー・コンピュート・アーキテクチャに対する市場シェアの拡大、AI、自動車、データセンター・コンピュートなど、市場で最も成長率の高いセグメントへのアームの市場浸透の拡大」が成長の原動力となると述べています。

目標株価と収益予想

サー氏は、アームのADRの目標株価を115ドルから140ドルに引き上げ、「オーバーウェイト」の格付けを維持しました。新たな目標株価は、2025年末時点のアームの収益率を予想する株価収益倍率55倍に基づいています。

アームは1株当たり40セントの純利益を計上し、アナリストの予想34セントを上回りました。同社の売上は前年の6億7500万ドルから9億3900万ドルに増加しましたが、アナリストの予想9億600万ドルには届きませんでした。

最後に

アームは2025年度のガイダンスを据え置いています。ガイダンスの中間値に基づくと、売上高39億5000万ドルで調整後の一株当たり利益は1.55ドルとなる見込みです。アナリストの予想では、2025年度の売上高39億9000万ドル、1株当たり利益1.57ドルと予想されています。

まとめ

アーム・ホールディングスの最新決算報告は市場に一時的な不安をもたらしましたが、長期的な成長見込みは依然として明るいと評価されています。アナリストの多くは、今回の株価下落を買いの好機と見ており、投資家にとって注目の銘柄となっています。

*過去記事「アーム第1四半期決算速報:予想超えの利益とロイヤリティ収入の不達

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