AI投資の明暗:AMDとマイクロソフトの決算結果を徹底解説

ウォール街がマイクロソフト(MSFT)アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の決算結果に対して示した反応の違いは、AI分野における見方の違いを象徴しています。

チップメーカーやハードウェア企業は、データセンターでAIアプリケーションを実行するための製品を販売しており、特定の収益貢献を明確に示すことができる一方で、ソフトウェア開発者はAI関連製品の収益を明示していないため、評価が難しい状況です。このため、多くの投資家はソフトウェア企業よりもチップメーカーの価値を高く評価しています。

AMDの好調な成績

7月31日に、AMDは新しいAIグラフィックスチップであるMI300の今年後半の予測を引き上げ、MI300チップとサーバー用のEpycチップがデータセンターの成長を牽引していると発表しました。AMDのCEOであるリサ・スー氏は、AIデータセンターで使用されるMI300グラフィックスアクセラレータチップの今年の売上予測を40億ドル以上から45億ドルに引き上げました。この発表により、AMDの株価は時間外取引で7.6%上昇しました。
*「第2四半期の好調決算で株価急上昇:AMDのAI事業の成長戦略とは?

マイクロソフトの微妙な成績

一方、ソフトウェア大手のマイクロソフトは、Azureクラウドサービス事業の売上がわずかに予想を下回り、成長率が30%にとどまりました。また、次の四半期には28%から29%の成長が予想されており、若干の減速が見込まれています。マイクロソフトのエイミー・フッド最高財務責任者(CFO)は、ヨーロッパでの非AIデータセンター使用量の減少とAzureのキャパシティの制約を理由に挙げ、同社がAzureの拡充にさらに投資していることを明らかにしました。
*「決算発表後のマイクロソフト株価急落、投資家が懸念する理由とは?

AI製品の収益化の難しさ

マイクロソフトはクラウドビジネスの成長を定量化することはできましたが、Copilot 365ソフトウェアの収益については明示していません。サティア・ナデラCEOは決算電話会議で、「Copilotの顧客は前四半期比で60%以上増加し、消費者はCopilotを使用してこれまでに120億以上の画像を作成し、130億回のチャットを行った」と述べました。しかし、Copilot単体での売上を数値化するのは難しいとされています。

まとめ

AI市場における投資の成否は、企業が具体的な収益データを提供できるかどうかにかかっています。AMDのように具体的な数字を示す企業は株価が上昇する一方で、マイクロソフトのように曖昧なデータしか提供できない企業は、ウォール街の期待に応えられない可能性があります。今後も、AI関連製品の収益をどのように明示するかが、企業評価に大きな影響を与えそうです。

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